納車


さて納車は営業氏が随分頑張ってくれたようで、1月いっぱいと思っていたところ1/22(金)との連絡が入った。しかしその日は筆者は仕事があったのでディーラーには1/23(土)に取りに行くとの連絡を入れた。納車待ちは長いようで短い日々だった。

そして当日。朝 9:30 にトレーラーが入るので11時には渡せます、という筈だったのが 「もうちょっと待ってください」 と電話が入り、引き渡し時間は13時になり、16時になり…(^^;) これじゃすっかり蕎麦屋の出前だな…という感じではあったけれど、トレーラーで運ぶのは筆者の車だけではないだろうから、まあこの段になったら慌てずに待つしかない。




やがて日が暮れて、雪が降り出した。ディーラーの営業時間は19:00までなので、逆算して17:30に筆者はディーラー入りすることにした。




車齢13年目となった愛車 エクストレイル初代後期MC版 T30-05 は雪の中を静かに走る。走行距離は最終的に17万5052km。今までよく働いてくれたなぁ…ご苦労様。




ディーラーに到着すると、まだトレーラーは到着していなかった。「ろっ、六時半くらいには…、来ると、思うのですが…」 という営業氏に 「まあゆっくり待ちますよん」 と告げてコーヒーを飲みながらのんびり。




…ふむ、矢沢栄吉も良いこと言うね。




ようやくトレーラーが入ったのは営業時間が終了してからだった。長距離運転の運ちゃんよありがとうっ。すぐさま荷卸しがあり、初対面の瞬間。

…おお、これがエクストレイル T32 の雄姿…!

ん…? でもカーキ色の筈が黒いような(´・ω・`)




気のせいですよ、これがカーキ色なんですよ、暗いところだと黒く見えるんですよ、明るいところだと見え方が違うんですよ、ああっいい色だなぁ…! と熱弁を振るう営業氏。まあ色彩設計と塗装エンジニアと印刷屋とウェブサイトのサンプル画像の作成者がオリエント急行殺人事件を共演しただけであってディーラーのせいではないのかもしれないけれど、しかしこれだと筆者は墨汁とか夜空とか漆器とかイカスミパスタの色をチタニウムカーキと称さねばならない気がする。




実のところの最近の日産車のボディ色はかなり渋目だ。ここにコートをかけるとより一層色味は深くなり、結局どれもこれもほとんど真っ黒に近い仕上がりになる。光が当たるとその反射した部分に色が乗ってみえる仕掛けになっているらしい。

サンプル塗装をみるかぎりスチールブルーを選択した人も 「なんで黒…?」 という反応をしそうな気がするけれども、きっと営業氏は、気のせいですよ、これがブルーなんですよ、暗いところだと黒く見えるんですよ、明るいところだと見え方が違うんですよ、ああっいい色だなぁ…! とフォローするのに違いない。



 

■ タイヤの履き替えetc




さてクルマが来たからといってそのまま引き渡しにはならない。いくらか書類の記入や説明等があって時間がかかる。

筆者はスタッドレスタイヤを一緒に注文していたのでここで履き替えが行われた。冬季だからスタッドレス仕様で出荷してよ、と言っても商品構成上はムリだそうで、ノーマルタイヤは必ず付属する。そんなわけで、このブラックエクストリーマーX専用のアルミホイールはタイヤごとしばらく倉庫にお預けである。この他にもETCの初期化等の作業がいくらかあり計1時間ほど待った。




明るい照明下で見ると、たしかにチタニウムカーキは黒とは違った風味の色合いにみえる。メタリック塗装の金属粒子による反射があって初めて色が浮かび上がるようで、この効果を出すのに通常よりもひと手間余計にかかり、ゆえに特別塗装色になっているらしい。

そういえば以前仕事でチタンの切削部品をいくらか扱ったことがあるけれど、たしかに純チタンはこんな色だ。もしかしてメタリック粒子にチタンが混ざっていたりするのだろうか。




メカニック氏が下側を見てみますか〜、というのでせっかくなのでボディ下面を確認。そういえば自分のクルマの下面をこんなふうに見るのは初めてだな。




ラダーフレームでないモノコックボディとはどんなものだろう…という視点で観察。…といっても素人目線なので評論するほどの情報は得られない。一応ちゃんと井桁状の骨みたいな構造はあって、この骨の部分にいろいろな付属品が固定されていることが確認できたくらいだ。エンジンはボディ本体とは別のフレームに乗っていて、ボルトで連結されている。




ところで先々代のT30ではボディ先端にあったフックベースはどこに行ったのかと思いきや…




こんなところに移動していた。ここは井桁骨格の先端部で、荷重をかけても大丈夫そうな位置ではあるけれど、輸送の際に車体を固定する用途に位置づけが変わっている。なおボディ先端部には別途ねじ込み式のフックを取り付けるねじ穴(フタつき)があって、牽引にはそちらを使えということになっている。




リア側にも荷室の下に伸びた井桁骨格にフックベースが取り付いている。ただしこちらも位置づけはあくまでも輸送時の固定用だ。公式にはリア側での牽引は考えられていない。これはいろいろ問題になりそうな気がするので項を改めて書いてみたい。




バンパーの内側は緩衝材で埋まっているのかと面いきゃ、意外にスカスカである。右側に白く見えているのが緩衝材として入っている発泡スチロールで、まさか強度計算はしているのだろうけれどびっくりするくらい薄い。ここはT30では黒く塗装されていたのだがT32ではコスト削減のためか無塗装のまま使われている(これはフロントも同じ)。バンパーは全体的にペラペラで、追突されたときはクシャっと潰れながら衝撃を吸収する設計思想らしい。

なおタイヤハウス部(写真左側)にはフェルト生地っぽい素材が使われている。これは吸音材で、筆者はロードノイズはあまり気にしない派なので 「ふ−ん」 という感じだったけれども、街乗り派には概ね好評のようだ。




さてそんなこんなで1時間ほどかけて引き渡し準備が終わり、キーを受けとったのは午後8時半頃だった。この時点での走行距離は11km。さて、ここから新しい旅が始まるわけだ。

…そんなわけで、よろしく頼むぜよ、新しい相棒♪ヽ(´ー`)ノ