インプレッション 〜納車後の第一印象など〜


さてそんなわけで、納車後の簡単なインプレッションを書いてみたい。…といっても既にあちこちで色々な報告をしているオーナーさんがいるので、改めて筆者が何かを書かなければいけないようなことは殆どない(^^;) …まあ、初回の感想と言うことで読み飛ばしていただければ。




■ エンジンルーム




さて受け取り時の写真はバタバタしていてあまり撮れなかったので後日いくらか写真を撮りなおしてみた。こちらはエンジンルーム。T30よりも電装系がぎっしり的な雰囲気がある。

今回は世間でブームらしいハイブリッドではなくガソリンエンジン車を選んだ。エンジン型式はMR20DD、出力は147ps、トルクのピークは4400回転付近にある。ハイブリッドにしなかったのは価格差を考えると燃費vsコストの面でメリットが無いことと、ニッサンのハイブリッド車はバッテリー寿命の実績に乏しいのでどのくらい乗れるのかが予想しにくいと思ってのことである。




さてボディ色のチタニウムカーキだけれども、晴天下ではこんな感じに写る。光が反射しないところは黒、反射するところは渋い金色といった感じで、カーキというよりは漆と金粉で構成される 「蒔絵ゴールド」 といったほうがしっくりする。

カタログにあった緑っぽい色とは合っていないけれども、見る角度と光の状態によって表情がずいぶん変わる。色味はグリル部のダーク系のメッキと相性がよさそうだ。




エンジンルーム内で目立つのはバッテリーである。S95という見慣れない型式だったので調べてみたら、アイドリングストップ車用の特殊規格であるらしく、お値段は5〜6万円もするらしい。車検で交換したら請求書がドヒャー…ということにならないよう、あと3年のうちに価格がこなれていくことに期待したい。




■ 内装




さて内装のほうはタフギア…というよりは街乗り車のちょっと高級版といった感じでまとめられている。T30に比べると収納スペースは減っており、小物を雑然と置いておくのは難しい。整理整頓はちゃんとしないといけないようだ。

ちなみにT-30ではダッシュボード上に小物入れスペースが左右二箇所あったのだが、T32では削られている。T30の小物入れは便利ではあったけれども直射日光をうけてフタの部分が何年もかけて変形し、反ってしまう傾向がみられた。T32ではそれを反省したのかガッシリとした一体成型で、切欠きやフタ構造はなくなっている。

防水シートはセルクロス/フレーザークロス/バートナーと3種類を組み合わせて質感を向上させている。防水でありながら水蒸気は通すので濡れたまま乗り込んでも蒸れないといい、T30の頃のカプロンに比べたら長足の進歩を遂げているようだ。



パネル類は光沢のあるピアノブラック調になった。人によっては高級感が高まった…と言うようだが筆者的にはちょっと微妙かな。このパネル材質は一見するとツヤツヤして綺麗なのだけれど、実は静電気を帯びやすくてゴミが吸い付きやすい。こういうデザインにするのであれば材質は慎重に選んでほしいと思う。




ドアのスイッチ類はまあ今風といえば今風の仕上がりになっている。プラモデル然としていたT30よりは随分乗用車的になって、合成皮革も使われてやわらかな作りになった。




ただ取っ手はもっと後ろ側(力がかかる位置)にも欲しい。現状だと後方から風にあおられた場合、風圧でドアがバン!と持っていかれるのを防ぐ手立てがない。荒天の駐車場で隣の車にドア端をぶつけてしまう可能性を考えると、なんとかしてほしいところだ。




■ 床まわり




さてさっそく泥にまみれつつあるけれどもペダル類はこんな感じである。サイドブレーキはレバーからぺダル式になっている(これはT31から)。筆者的に注目したのはブレーキペダルの四つ角にRがついて小ぶりになったことで、T30ではゴツイトレッキングシューズで運転するとペダルが引っかかることがあったのだが、T32ではそういうことはなくなっている。




まだぎりぎりクリーンな床マットのエンブレム。汚してこそ価値がある…くらいの気持ちでガンガン使い倒していきたいところだねぇ ヽ(´ー`)ノ



 

■ ラゲッジルーム




ラゲッジルームは広い。棚板の下に収納スペースがあり、スコップとか牽引ロープはそこに仕舞っておけるので、ある程度の荷物を積みながらも寝るスペースが確保できる。T31の引き出し式とどちらが良いかは微妙なところだが、棚板2分割のほうがレイアウトの自由度は高い。




リアシートを倒すとこんな感じで、奥行き174.5cmのスペースが出来、寝るには必要十分な広さがとれる。ただ可倒シートは完全にフラットにはならず、いくらか浮く(寝るのに不自由するほどではない)。また二分割の敷板はすっぴん状態で体重をかけると多少 "しなる" ので、車中泊をするときには何か敷いた方が良いかもしれない。

一人旅の車中泊なら、この(↑)状態で後部座席右側で玄関スペースよろしく靴を脱いで "座敷" に上がるとラゲッジルームが泥で汚れず靴置場にも困らずに済む。なおエアコンを効かせて仮眠をする場合はアイドリングストップはOFFにしておかないと数分毎にエンジンがブルンっ!…と起動と停止を繰り返すのが結構喧(やかま)しい。これは意外な盲点だった…(^^;)




■ マルチアウトレット(100Vコンセント)は落第点 ヽ(`◇´)ノ




さて今回筆者はデジカメ充電用に100Vコンセントを追加した。ナンだカンだで100Vコンセントの出番は多いので、インバータ別置きよりは直接引けるほうが便利だろうと思ったのである。

しかし納車された車を見たら運転席から視界も手も届かないこんな位置でちょっとガッカリ。どう見てもテキトーなヤッツケ仕事で、これで \28000 はちょっとどうよ的な ( ̄▽ ̄;)




筆者的にはコンセントがあるべきなのはここ(↑)だと思う。スペースには余裕があるのに、どうしてここに作らなかったのか…




…で、結局筆者は別途100Vインバータ(\2500)を買ってきて手元のシガーライターソケットに装着してしまった(笑)。手の届かないところにある装備は存在していないのと一緒だから、実際の充電シーンではこちらをメインに使うことになりそうだ。




■ 総合すると


さていろいろ文句(?)も書いたような気がするけれど、筆者は総合的にエクストレイルというクルマに価値を見出して契約に至っているので、厳しい意見は "愛" みたいなものだと思っていただきたい(^^;) このクルマは価格の割に装備が充実しているのがウリで、一方で割り切っている部分はとことん割り切った側面がある。その結果一部にヤッツケ感もあるけれど、全体としては安っぽさはあまり感じられず、お手頃なレベルでうまくまとまっている。

もとよりエクストレイルは渡河やロックアタックをかけるようなクルマではなく、そこそこの未舗装路をそこそこの走破力で楽しく走るためのクルマと理解すべきだ。筆者は先々代のT30で13年、そういう走りを楽しんできた。これからも、そういう乗り方をしていきたいと思う ヽ(´ー`)ノ