2006.11.26 韓国:水原(その1)




仕事案件で韓国:水原(スウォン)に行って参りました。



さて仕事案件は書かない方針の本サイトだが、現地休暇が1日だけとれたので今回はそこを中心に書いてみたい。行先は韓国の水原である。

水原はソウルの南30km程のところにある古都で、李氏朝鮮時代の城郭 「華城」 がある。最近ユネスコの世界遺産に登録されたらしく、さかんに広報活動が行われている。本レポートのハイライトもその華城になる。



 

■ 水原への道




さて韓国へのフライトは羽田を起点とすると九州へ行くのと感覚的にはほとんど差がない。時間的には2時間ほどである。 筆者的にはできれば近づきたくない魔の半島(※)だが、仕事なのでそうも言っていられない。まあ、頑張ろう。

※こう言ってはナニなのだが韓国人には契約という概念が希薄なので、約束が守られなかったり途中から話が変わっていたり、余計な案件が追加されたり代金が支払われなかったりなどということは(中略)。とにかく、まともにスッキリと案件が円満解決することは100%絶対にない、という点で魔(中略)のである。ヽ(`◇´)ノ




ソウルが近づくと、韓国特有の高層住宅群がみえてくる。開発単位が大きいのか、同じ規格の建物がずらりと並んで一斉に立つのは壮観だ。

あとで聞いた話だが、最近のウォン高で不景気かと思いきや、実は現在の韓国は限りなく不動産バブルに近い状況にあるらしい。通貨危機で国家破産してから10年…まあ、変われば変わるものである。




さて空港からタクシーで水原に入った頃にはすっかり日が暮れていた。見れば日本と同じように晩秋の銀杏が黄色く色づいている。平地の紅葉のピークは2週間ほど前に過ぎたといい、もう冬は目前といったところだった。




ホテルの近くにコンビニを見つけたので入ってみると、ロッテ (日本企業だと思っている人が多いが実は韓国資本である) がグリコのポッキーをパクっていた。韓国では日本の菓子類というのはまず見かけない。外見も味もそっくりな、しかし微妙に何かが違う銘柄が韓国メーカーによって作られている。この微妙に違う部分がもしかするとオリジナルなのかもしれないけれども、まあ普通にみれば(中略)であろう。

…とりあえず今日はこれを食って寝よう。一般に韓国の料理は大量のトウガラシが入って辛いのが特徴だが、さすがにお菓子に限ってはそのようなことはなく、ほぼ日本並みの食感を期待できる。ラーメンなども白スープ系のものは大丈夫だ。




■2日目以降




さてここは旅と写真のサイトなので、SF小説のような荒唐無稽の展開(…まあ、韓国だし)をたどっている仕事の話は省略する。

そんな訳でブテチゲのアップを撮ってみる。筆者はてっきりブテチゲとは豚チゲだと思っていたのだが、現地の人によると 「語源は軍隊チゲですよ」 ということらしい。もともと唐辛子入りの韓国風ごった煮=チゲに、朝鮮戦争当時の米軍がソーセージやハムを持ち込んで加えたことから 「軍隊チゲ」 の名で広まったらしい。

ブテチゲは韓国では非常にポピュラーなメニューで、たいていどこの食堂に行っても食べられる。慣れれば旨いものだが、最初はトウガラシの分量にたじろぐ人もいるかもしれない。




そして韓国といえば焼肉。この厚切りベーコンみたいな奴は脂と霜降りと赤みが3層になっているちょっと高級な銘柄の肉らしい。岩塩とニンニクとキムチを載せてサンチュでぐるぐる巻きにして食べると実に旨い。食後しばらくはゴジラの吐く放射能のようにニンニク臭が漂うのだが、まあ細かいことを気にしてはいけない。




スープ系としてはカルビタンも良いがソロンタンも旨い。牛骨スープのベースは意外に淡い味わいで、岩塩またはコチジャンを適度に混ぜてセルフ味付けをして食べる。岩塩であっさり目で味をつけたほうが日本人には合っているように思える。筆者的には隠れたヒットメニューである。




そしてビビンバ。韓国の食事は基本的に 「混ぜる文化」 である。ビビンバは文字通り 「かきまぜる」 という意味である。生よりはやはり石焼のほうがイケてるような気がする。

…ところで 「なんで食い物の写真ばかりなのだ?」 とツッコミがありそうだが、遊びに来ているわけではないので食い物くらいしか撮るものがないのである。




ところで韓国ではなにか注文するとおまけで 「これでもか」 とサイドメニューが出てくる。現地の人曰く 「吉野家ビジネスは成り立たない」 のだそうで、どういうことかと聞いてみると 「日本の吉野家は オシンコ とか サラダ とかにお金を取るでしょ、そんなのここでは受け入れられないネ」 というのである。

つまり彼らにとっては、何か食事を注文すると無限におまけのサイドメニューが付いてくるのが当たり前で、それに代価を支払うという発想は無い。これでよく店の経営が成り立つな…と不思議で仕方がないのだが、おそらくは全部込み込みで値段が設定されており、ともかくそういう文化で世の中が回っているのだろう。




この感覚について正しく理解していないと、日本人はエライ目に合う。韓国ではあらゆる取引がこの要領で処理されるからだ。一つの契約がまとまったように見えても後から追加要求がワラワラと上がってきて、それを全部タダでやれ、などという無茶な話になったりもする。オマケを要求するのは当然、それに対価を支払わないのも当然、という日本人には理解しがたいロジックがそこには存在していて、トラブルの種は実に多い。最終的には怒鳴りあいで声の大きいほうが勝ち、紳士的な話し合いで決着がつくことは100%絶対にない( ̄▽ ̄;)

このへんを読み違えて日本の純朴な社長さんが韓国市場に進出なんてしてしまうと、契約書に書いていない部分でアレもコレも・・・とふんだくられて大赤字になってしまうだろう。実際、彼らは事前に合意した契約書や仕様書などをあっさり無視して意に介さない。欧米型の 「約束の守られる社会」 とは根本から違う世界なのである。この環境で生き残るには、つまらないビジネス書よりコミックスの 「魁!男塾」 でも読んだほうが実用に即した教訓が得られるだろう。(注:ここは、笑うところではない…笑うけどw)




さて食い物意外で目に付くものとすれば、TVで延々流れている日本アニメだろうか。不思議なことに実写ドラマで日本産のものはついに一本も見なかった(特撮ヒーローものはのぞく)。夜中の2時、3時でも平気で放送していて、いったい誰が見ているのか不思議になってくる。




それにしても、2泊3日の予定で韓国入りしたのだが・・・・仕事状況はかなりグダグダ感が漂い、こんな状態が2週間も続いてしまった。花鳥風月どころかすっかり拉致監禁。・・・ああ神様、どうして私はここにいるのですか?(T▽T)


<つづく>