2011.05.15 県道30号線界隈〜長峰公園(その1)




新緑風景を眺めて参りました〜 (´・ω・`)ノ

 
GWが過ぎて緑も濃くなってきた。そんな訳でまたふらふらと出かけてみた訳だが、今回はいわゆる観光スポットから多少離れて県道30号線の界隈を走ってみることにした。

この路線は主に那須塩原市〜矢板市の山沿いを通る道で、派手な大型観光施設はないものの牧場や田園の広がるのどかな風景が見られる。ちょうどツツジの季節でもあるので、花と新緑を眺めつつ、ゴールはツツジの名所である長峰公園としよう。




■塩野崎


 
さて毎度のことながらこのサイトでは那須塩原駅を起点に路線を紹介している。そんなわけで駅にほどちかい塩野崎付近の状況から乗せてみるのだが…これがもう、目の冴えるような新緑具合なのである。

この付近は戦前の埼玉飛行場の跡地で、戦後になって農地と雑木林が混在する地となった。東北自動車道を挟んですぐ北隣には那須ガーデンアウトレットがあり、ミーハーな都会人はそちらに流れてしまうのだが、幹線道路から一歩入ったところにはゆったりとした田園風景が広がっている。


 
牧草地から見る那須連山。付近には那須疏水第2分水が通り、農地を潤している。

こういう写真を掲載するとよく遠方から観光に訪れる方に 「いったいどこから撮ってるの」 と聞かれるのだが、幹線道路沿いだと樹木があったり電線があったり、はたまた建物が邪魔をしたり…ということで実はこういう眺望は望みにくいのである。人の集まりそうなところには土産物屋とかレストランなどが立ってしまうので、遠景の望めるいわゆるビューポイントを探そうと思ったら、生活道路にちょこっと入ったあたりの農地沿いを流してみることをお勧めしたい。レジャーランドを大慌てでハシゴするようなドライブではなく、心にゆとりを持って寄り道感覚で走ると思いもよらない景色を発見できる。


 
残雪は、那須高原側についてはほぼ消滅しつつある。そろそろロープウェイ経由で山頂アタックしても雪にハマることはなさそうだ。


 
飛行場跡地を縦横にめぐる生活道路。この付近は通学路にもなっている。緑の多い、静かな住環境である。


 
こちらは那須塩原駅の駅前道路(r53)から見た高原山。手前に赤く見えているのはヤマツツジである。これが徐々にレンゲツツジと入れ替わりながら6月いっぱいくらいまで山林に華を添える。


 
駅前道路を黒滝山方面に進むと、やがて東北自動車道を越えていく。

ここは那須御用邸に向かう皇室ご一行が通る道であり、小奇麗に整備された道が続く。


 
この道がやがて木綿畑の交差点で r30 と交差する。その先は r30 に乗ってゆるゆると南下していこう。




■高林


 
高林付近まで山岳部に近づいてくると、いわゆる那須五峰(茶臼岳、朝日岳、鬼面山、南月山、黒尾谷岳)の後ろに隠れていた第二列の山々(三倉山、大倉山、流石山)が視界に入ってくる。あの山々の尾根付近は区分としてはもう日本海側気候の末端にあたり、那須五峰よりも雪解けが遅い。

進路を北にとって深山ダムあたりまで登って間近にみればより美しい山容を見ることが出来るのだが、今回は南側に向かうルートなのでここは遠景を見るに留めよう。


 
r30からは視界いっぱいに鴫内山がみえる。ちょうど斜面の中腹あたりにパラグライダーの離陸場があり、天気の良い日には上空を飛んでいくパラグライダーがよく見られるところだ。

この山裾に広がる水田地帯は電線網がほとんど無いために非常に絵になる景色が撮れる。たまに映画の撮影にも使われるようだが、具体的にどんな作品のシーンに使われたのかは残念なが筆者は把握していない(^^;)


 
やや南下して蛇尾川を渡った。ちょうど雪解けの季節でダムの放水も多いらしく、普段は水の無い河原にも水音が響いていた。

砂礫層の厚い那須野ヶ原では水の浸透が激しく、河川は伏流水となって地下を流れている。こうして水の流れる様子が見られるのは雨上がりか雪解け水が増える時期くらいだろう。


 
それにしても…水源地の水は、さすがに透明だねぇ。


 
この上流域は、ヤマメ、イワナの宝庫で渓流釣りの隠れた名所であった。過去形であるのは、現在では人が入れないので釣りようがないためだ。

筆者は子供の頃現在位置(塩那橋)からさらに15kmほども奥に入ってよくキャンプや魚釣りをしていたのだが、今では崖沿いの山道(当然徒歩で登るのである)もダムに沈んで立ち入るのが非常に難しくなっている。いつのまにか秘境に逆戻りしてしまった上流域は、おそらく今では渓流魚の天国になっているのではないだろうか。


 
そんなことを思い出しながらツツジの赤を手前に置いて残雪の山を1枚。

…やはり、新緑というのはいいねぇ ヽ(´∀`)ノ




■日の出〜関谷


 
やがてr30は開拓農地に入る。そろそろ日の出の付近で、あたりには牧草地が広がっている。


 
ここも幹線道路から一歩入ったあたりに広々とした風景が広がっている。一辺が200m程度の碁盤の目状に農道が縦横に走り、区画の境界には防風林を兼ねた雑木林が細長い短冊状に配置されている。南隣にあたる千本松牧場では碁盤の目のサイズが一辺500mとなり、さらに広々感を味わうことができる。


 
このあたりは戦後に開拓が進んだところで、那須疏水より標高の高い地域なので水は引けず、よって水田はなく、ほとんどが畑作か牧草地である。

景観的には、休日にお金をかけずに牧場風景を眺めてマターリするには良いところだ。付近には温泉もあるので陽光を浴びながら露天風呂に入るのもよい。


 
雑木林の部分は、この季節特有の日の差し込む明るい林となっていた。


 
その雑木の中に、ところどころツツジやサツキの赤が混じる。R400沿いなどでは街路樹としてヤマツツジ植えられているが、それ以外の林間にあるのは殆どが自生しているものである。株数としては白いゴヨウツツジよりも赤いヤマツツジが圧倒的に多い。r30界隈にはこんな風景が延々と続いていく。


 
見れば牧草の刈り取りが行われていた。いつもの年ならのどかな風景といえるのだが、今年は放射線のチェックをしながらの作業なので農家の中の人は大変だろうな。

<つづく>