2012.10.08 那須:姥ヶ平の紅葉(その1)




姥ヶ平の紅葉の様子を見てまいりました(´・ω・`)ノ



猛烈に暑かった夏の空気もすっかり去ったようなので、恒例の姥ヶ平詣でをしてみることにした。ここは標高1600mのゆるやかな斜面で、那須で最も早く紅葉の色づくところである。



 

■行楽日和はフラングスタートでGO!




さてこの日、筆者が自宅を出発したのは午前二時半であった。なぜそんなにフライングスタートなのかというと、この週末の奥那須は交通規制があったのでその影響を読んでのことである。規制そのものは3連休の最初の2日だけで、3日目(つまり今日)は適用外ということになるのだが、初日、二日目と痛い目にあった行楽客が学習効果を働かせてフライングアタックをかけてくる可能性があるので、筆者も負けじと早朝アタックに勤(いそ)しんでいるのである(^^;)

湯本の温泉街まで登ってくると、例大祭の時節なので提灯が点灯していた。毎度毎度見損なっている祭りの会場(結局、今年も見逃しているのだが ^^;)を横目に、ゆるゆるとボルケーノハイウェイを登っていく。




展望台まで登ってくると、降るような星空と街の明かりが実に綺麗であった。手前の明るいところが那須湯本温泉街、はるか向こうの街明かりは黒磯の市街地である。しばし、ゆったりと夜景を眺めてみた。

…が、背後で何台ものクルマが道を登っていくので、あまりゆっくりしている気分にもなりきれず、そそくさと再発進した。…はて、こんなにクルマが多いとは…上の方はどうなっているのだ?




峰の茶屋駐車場まで登って驚いた。先客がウヨウヨいてなんと駐車場の7〜8割が既に埋まっていたのである( ̄▽ ̄;)。…年々競争率が高くなる傾向はあったけれども、これにはさすがに予想外だ。余裕のつもりで出てきたのに、筆者はかなりぎりぎりの滑り込みセーフ組であったのだ。

…それはともかく、星空はやはり綺麗だ。ヘッドライトやキャンプ用ランタン、懐中電灯の明かりが交錯してお世辞にも星を眺めるのに適したシチュエーションではないのだけれど(^^;)、クルマさえいなければ星空を眺めるのにここはとても良い場所であるらしい。




何も考えずに愛車 X-TRAIL の天井にゴロンとカメラを置いて直上を撮ってみた。太陽のように明るく見えているのは月である。星明りで長時間露光をすると、こんなふうに写るんだな。

いろいろ試してみたけれど、どうやらシャッター速度を30秒以上にすると地球の自転で星が流れてしまってダメらしい。多少ノイジーになっても感度を目一杯に上げて星を点として写した方が見栄えがする絵が撮れる。




…と、そんな試行錯誤をしているうちに夜が白々と明け始めた。ひとまずここで仮眠でもとっておこう。




■朝日岳〜峰の茶屋




そんな訳で1時間ほど仮眠をとって、午前6時半の状況がこんな光線具合である。

朝日岳はまだ山頂付近がちょこちょこと色づいている程度で、やはり紅葉の進行は遅れている。色もあまり鮮やかとはいえない。これだとあまりあちこち歩いても撮るものがなさそうなので、さらに1時間ほど仮眠をとってからゆっくりと登り始めた。




ゆっくり登るのには理由がある。なにしろ姥ヶ平方面は山の西側斜面である。あまり早く到着しずぎても逆光になってしまい、良い絵が撮れないのだ。




暗いうちから登山道に入った気合組がもう降りてきていたので状況を聞いてみると、「今年はダメだねぇ」 などと口々に言っていた。どうやら単に紅葉が遅いだけではなく、那須の秋を象徴する赤色の立ち上がりがよくないらしい。

…と言っても、色のノリは主観でなんとでも感じ取れてしまうので、自分の目で確かめるまではなんとも言えない。とりあえずは登ってみよう。




鳥居付近では青々としていた木々も、少し登り始めるとちらほらと色づいている枝が散見されるようになる。たしかに鮮やかさという点では少々アレかもしれない。




樹林帯を抜けて中の茶屋跡付近まで来ると、朝日岳南面の全体像がみえる。そこそこ色づいては来ているようだが、この状況だとあと一週間から十日くらいは待った方が良いかもしれない。




それでも山頂部分だけ切り取るとイイカンジに染まっている。頂上からざっくり100mくらいのあたりが赤色のピークになっているようだ。
 



茶臼岳を見上げると、秋の雲がゆっくりと流れてきている。…草紅葉の方は、まあぼちぼちといったところかな。




そのまま視点を真上に持っていくと、トンビの群れが大量に舞っていた。




…いったい何を狙っているのやら。




いつもなら笹原に赤い島が浮かんだようになる鬼面山の稜線も、まだまだ時期尚早のようなので、こちら方面は見切りをつけてゆるゆると登っていく。。




…ということで、途中は大幅にカットして峰の茶屋跡である。今日はあまり遠出をする予定もないので、ゆっくりとコーヒー休憩しながら登山客と無駄話をしてみた。ここは登山道の交錯ポイントであり様々な方面から人が集まってくる。休憩しながら情報収集するにはちょうど良いのだ。

いろいろ聞いてみるとこれが面白いもので、人によって紅葉の感想は驚くほど異なっていた。大雑把にいって、高そうなカメラを持っている男性客は総じて低評価、家族連れや女性客には高評価のようだ。景観についての期待値というか要求水準の差が現れているのかもしれないけれど、これだけ人によってバラツキが大きいと、安易にクチコミ情報で紅葉具合の良し悪しを推測するのは難しそうな気がする。




峰の茶屋から姥ヶ平の方面をみると…うーん、色づいてはいるようだけれど、たしかになんとなく渋そうな気もするな。うむむ。



 

■気温から傾向を読み解くと?





ところで、紅葉の進行具合を考えるのであればやはりデータを基にして考えてみたい。

…ということで筆者は暇人なので気象庁の公開データから那須の気温変動をグラフに起こしてみた。ただし姥ヶ平に気象庁の観測設備は無いので、ここに示したデータは那須模範牧場にあるアメダスの観測値から標高換算している。紅葉は最低気温が8℃以下になるとぼちぼち色づき始め、5℃を下回ると色が鮮やかになると言われる。その傾向になんらかの特有の要因が見えるのか、確かめてみたいと思ったのである。

グラフをみると、9/20頃までは真夏と変わらない状況が続き(→つまり残暑が強烈だった)、その後9/26頃までの一週間で急速に冷え込んだことがわかる。このまま冷え切ってしまえば、おそらく超絶鮮やかな紅葉になったはずなのである。しかし今年はリバウンドがあり、せっかく進行し始めた紅葉が寸止めになったまま高温に戻って、生殺し状態で10日あまりも放置されてしまった。色づきがいまひとつ渋いというのは、この寸止めの10日あまりの間に初期の紅葉ぶんの葉が発色し切らずに枯れ始めてしまっているのかもしれない。




もしそうだとすれば、初期の紅葉分の葉が落葉する後半戦で再度チャンスが巡ってくるかもしれないが…はてさて、そううまく行くものかな。

<つづく>