2014.03.15 早春の那須高原




那須高原をさらりと流してまいりました (´・ω・`)ノ



なにやらあっという間に3月。ということで、そのへんをふらりと流してみることにした。本来なら雪景色の本格化する2月前後に雪レポートを書くべきだったのだが、今年は書き損ねている間に日々の雑務に忙殺されてしまった。そんな訳で本格的な春を迎える前に、少しは冬の残照の残る風景を記録しておこうと思ったのである。特にテーマがある訳でもないので風景の羅列になってしまうけれども、まあたまにはそんなレポートも悪くないだろう(^^;)




そもそも今年の2月はドカ雪であった。建国記念日から2週続けて週末に大雪となり、出かけようにも道路はそこかしこで遭難車両が続出というありがたくない状況になっていた。筆者はある程度の雪道なら X-Trail で突っ込んでもりもり走破してしまうのだが、このときは写真を撮るよりも行く先々で遭難車両の救出(牽引)を手伝うハメになって、あまり充実した豪雪ライフ(なんだそりゃ)にはならなかったのである。




出来ることなら、もう少し真っ白な風景を愉しみながら温泉のハシゴなんぞをしてみたかったのだけれどねぇ…



 

■ 那須野ヶ原北部




…で、ようやく暇の出来た3月。すっかり平地の雪はなくなってもう春の足音がサンバのリズムに乗って近づいてくる頃、那須野ヶ原はまだ枯草色の中にあった。もちろんこんな時期に観光に来る人などはほとんどいない。




しかしそんな中にあっても、農作業の暦は静かに進んでいる。那須野ヶ原では田植えはGWの連休に合わせて行われるため、すべてが早仕込みで進行して行く。これが早春の風物詩となっているのである。




田起こしは土壌の状況によっては前年のうちにやったほうが良い場合もあるというが、筆者宅の近所ではおおよそ2月後半〜3月一杯くらいにかけて行われる事例が多い。小さな春は、こんなところから始まっていく。




水田以外では、牧草地で緑の芽が伸びはじめた。所々に黒い土の盛り上がりが見えるのはモグラ塚で、その名の通りモグラが穴を掘った跡である。

土が豊かなところでは昆虫やミミズなどが多く、それを狙ってモグラが集まってくる。二十四節気でいう啓蟄(けいちつ)を過ぎ、冬眠していた虫が目を覚まして動き出すと、モグラ塚もまた増えてくる。…これもまた、早春の風景の一要素といえるだろう。



 

■ 那須街道へ




遠景の山を眺めた後は、そのまま那須街道に向かってみた。今年の記事エントリーを見るとなんだか那須高原方面ばかり取り上げているようでちょっとアレだけれど(^^;)、まあ気にしないでいってみよう。




こちらの方面も、広谷地のあたりまでは雪はない。まだ冬の様相を残しながらも厳冬期の厳しさは感じられず、やはり春は近いことがわかる。…先月のドカ雪が嘘のようだ(^^;)




さて本日はあまりテーマを限定せずにふらふらしている。ここで筆者は半ば思いつきでフィンランドの森に立ち寄ってみた。ここは一年中ムーミンとサンタクロースで商売をしている不思議系の施設なのだが、グリルドチキンが絶妙に旨いのでちょこちょこと筆者は訪れていたりする。



店頭ではリアルモードのスナフキン氏がハーモニカを吹いていた。いつも居るとは限らないので会えた人はちょっとだけ得をしたと思ったほうが良いかもしれない。




・・・で、お約束どおりにチキンを戴いてコーヒーでゆったりしてみたのだが…



実は本当のお目当てはコレなのである。本物の北欧式の薪ストーブ。そろそろこれに火が入っているのも見られなくなるので、ヴィジュアルとして押さえておきたかったのだ。

※ここは輸入物の薪ストーブの販売も行っており、いったいアナタのお店は何屋さんなのですかと幾らかツッコミどころはあるのだが、こういうレトロな雰囲気は仲々他では味わえないので四の五の言わずに愉しむべきである(^^;)




こういう、緩やかな時を過ごす系の贅沢は、なかなかお金で買えるものではない。端境の季節にみえる最後の冬の余韻。こういうところで味わうコーヒーは、実に旨い♪ ヽ(´ー`)ノ




■ 湯本温泉街を通過




さてここからは、湯本温泉街を経由して大丸温泉まで登っていくことにしよう。




一見茶屋付近に至ると残雪が見え始めた。樹木の周辺に丸く雪の解けた部分が見られるのは "根開き" といい、樹木の幹がいくらか熱をもっているのでこんな景観になるらしい。




余談になるが座禅草など一部の植物は、積極的に発熱して雪を溶かし早々と雪の上に顔を出して花を咲かせてしまう。どういう仕組みでそうなっているのか筆者にはよくわらないのだが、なかなかに面白い特技だ。




湯本温泉街はすっかり除雪が行き届いていくらか雪山が残っている程度。ここは今回はスルーしていこう。




起伏のあるボルケーノハイウェイの領域にに入ると、目立って雪が増えてくる。




やはり標高の高いところはまだ冬の様相が残っているようだ。積雪量はざっと30cmくらいだろうか。除雪は行き届いているけれど景観は白基調になっていく。



 

■ 展望台




やがて展望台に到着。標高はおよそ1050m。風も無く穏やかな展望だった。




この付近では、まだまだ一面の雪景色が見られる。ただ樹林帯の雪は遠景としてみると木の枝で隠れてしまうので 「見渡す限りの真っ白」 という景観にはならない。同じくらいの肌の色をしている人でも 「つるつるスキンヘッド」 と 「五分刈り坊主」 では印象がまるで違ってみえるのと一緒である(…なんだその例えは ^^;)。




こんな樹林帯が延々と森林限界まで続いていて、樹木の無い頂上付近では雪の色がダイレクトに見えて真っ白にみえている。この理屈を知っていると、山岳地では遠方から見える白いところだけが雪ではないことが理解できる。目測で山歩きの状況判断をする際には注意したいところだ。




そんな森林帯を、もう少し登っていく。




おお・・・見ればここにも "根開き" が見える。これだけ見せて 「雪国の景色ですよ」 と言っても十分通じそうだ。



 

■ 大丸温泉




そして本日の終点、大丸温泉に到着した。標高は1265m。ズラーリと並んでいるのは隣接する那須ファイミリースキー場の来客のものである。もうシーズンも終わりのはずなのだが…結構、人が来ているんだな。




冬季はここで道路が閉鎖されてしまうのでこれ以上は登れない。通行止めの期限は3月31日迄…の筈だったのだが、よくみると4月1日迄と書き換えられているな。なにか大人の事情でもあるのだろうか。いやもしかして手の込んだエイプリルルールだったりして(何)




山の上のほうをみると、ロープウエイが動いていた。実は東野交通はオフシーズンでも完全に施設を止めている訳ではなく、こうして時々稼動させて設備を点検している。つまり厳冬期の通行止めの期間でも、あそこまで定期的に登っている職員氏がいるのである。

硫黄鉱山時代の徒歩ルートに妙にはっきりとラッセル跡が付いているのは、この営みがあるからなのかもしれない。…ご苦労なことだなぁ(´・ω・`;)




そんな茶臼岳の断崖は、まだまだ雪で白く覆われている。




温泉の湯と合流している郭公沢の流れも、まだ雪の中。




・・・ここに下界の "春" の芽吹きが訪れるのは、GWを過ぎた頃になる。

いい季節になったら、また来ることにしよう。

…ということで、えらく中途半端だけれども今回はここまでとしたい。

<完>