2015.03.28 早春の茶臼岳に登る(その1)




茶臼岳から見る雪景色を堪能して参りました (´・ω・`)ノ



那須ロープウェイが3/20に運行開始したというので、たまには雪景色を堪能するのも良いだろう…と出かけてみた。まだ観光客が押しかけてくるような陽気ではなく、冬山の様相の残る時期ではあるけれど、雪山をお手軽に愉しむには実はこのタイミングで行くのが良い。今回はあまり難しいことは考えずに、そのあたりをレポートしてみよう。



 

■ 茶臼岳への道




ということでいつもの如くJR那須塩原駅を起点にゆるゆると走り出してみる。駅前正面に見える黒滝山はいまだ雪を頂(いただ)いている。

世間の陽気は春めいてきたものの、いまだ変質者のニュースを聞かないところをみると本格的な春というには幾分か早い(え?^^;)。梅はちらほら咲いてきたが、桃や桜にはまだ早く、フキノトウも顔を見せず。いまのところ那須野ヶ原はそういう季節である。




東京はちょうど今日あたりが花見のシーズンであるらしい。

そのためか那須街道周辺は首都圏方面から流れてくる観光客もまばらで、渋滞はない。写真は当日の湯元温泉街だが、観光客がまばらな分、ゆったりと温泉巡りができそうであった。本当の温泉通なら、こういう時期に有名どころを訪ねて湯船の実質借り切り状態を愉しみたい。




ボルケーノハイウェイの領域に入って、これまたすいすいと登り、展望台(標高1050m)から那須高原を見降ろしてみる。視界は良好である。残雪は那須街道をR4方面から登ってくると広谷地のあたりからちらほらと見え始め、殺生石のあたりからマーブル模様状になってくる。樹木があると遠景からは枝色に覆われてみえにくくなってしまうが、実際には山の裾野の大部分がこうして雪に覆われている。




主峰である茶臼岳方面をみると、さすがにまだ雪は深そうだった。ロープウェイの営業は3/20から始まっており、一応山頂までは登れる状態にはなっているのだが、油断はしないでおこう。




さらに登り、大丸温泉より上側は視界も開けてこんな状況である。積雪量はざっと30cm〜1mくらいで、吹きさらしの部分と吹き溜まりの部分ではかなり極端に雪の層が異なっている。




雪壁の高いところはこのくらいあるが、除雪がしっかりしているのでクルマの走行には特に問題はない。路面に凍結はなく、この日はノーマルタイヤでも登ってこられる状況だった。



 

■ 那須ロープウェイ




ほどなくロープウェイ山麓駅に到着。ハイシーズンではないので駐車場には余裕で入れる。




人影はまあ、こんな程度。営業開始もゆったり、まったりと9:00以降開始なのであまり慌てる必要はない。どこの観光地でもそうだろうが、シーズンの初めの頃はこんなものである。




さてこの季節、まだ雪が残っているためクルマで到達できるのはこのロープウェイ山麓駅までである。そこから上は通行止めになっていて、峠の茶屋も営業していない。この峠の茶屋ルートは装備さえしっかりしていればもちろん登って良いのだが、まあ一般的にはロープウェイを使うのが無難だろう。

ただし山麓駅の中の人によると、開業9日目にして実際に運行できたのは本日で3日目だといい、正直なところ打率はあまり捗々(はかばか)しくない。那須の山頂付近は冬季は風が強く、春めいてきた3月末でもその傾向は残っている。風速25mを超えるとロープウェイは運休になってしまうので、季節の端境期である3月末は運行する/しないがギャンブルのような状態になる。本日は、そういう意味では非常に運のよい日であるらしい。




それはともかく、筆者は軟弱者なので修羅の道は避けてロープウェイでショートカットである。




途中のゴンドラから見る峠の茶屋付近は、こんな状況であった。駐車場の除雪はそれなりで、これなら一般客を上げてもよさそうなものだが…惜しいなぁ。




眼下には果敢に徒歩で登っていく健脚派の姿もみえた。地形的におそらく那須ファミリースキー場方面から登ってきたのだろう。ここは登山道からは外れており、わざわざ急峻なコースを登っているところをみると筋トレ系のマゾヒスティック・アルピニストなのかもしれないが、これはこれで楽しそうな気がする(^^;)

※ただこの付近はクマが出るので雪解けが進んだらあまり踏み込まない方が賢明かも…




さてほどなく山頂駅に到着。景色はご覧のとおりで、すっかり雪山然としていて清々しかった。



 

■ 登山道を行く




ここからは雪の上を歩いていく。今回筆者は軽装で、ジーンズにトレッキングシューズという出で立ちだが、本来ならこういう所は軽アイゼンかスノーシューを装着すべきところである。ざっと見たところ歩いている人の装着率は半々といったところだろうか。




ちなみに周辺の山々はすっかり雪に埋もれていて、下手に踏み込むと膝くらいまでズボっと脚が埋まってしまうような雪原が続いている。




しかし茶臼岳はちょっと特殊で、風の当たり方が強いのと、溶岩ドーム自身が熱を持っているので山頂周辺には積雪が少ないのである。




だから山塊中腹の雪深い斜面をロープウェイでショートカットし、9合目まで達してしまうと、その先は軽装でも以外にひょいと登れてしまったりする。




もちろん地熱や噴気の分布にはムラがあり、まったく雪が無いという訳ではない。だから決して侮ってはいけいないのだが、しかしこの季節にしては登りやすい山であることは、知っておいて損は無いと思う。


<つづく>