2016.01.24 雪の白河:〜X-TRAIL T32 デビュー戦〜(その1)




納車されたばかりのエクストレイルT32にて雪原を走って参りました (´・ω・`)ノ



さて我が家に新しき戦友(とも)がやってきた。エクストレイルT32型、ブラックエクストリーマーXである。写真では黒く見えるが色はチタニウムカーキだ。クロカンテイストがなくなって街乗り車っぽい外観になってしまったけれども、いろいろ検討した結果今回もエクストレイルを選ぶことにした。今後しばらくはこいつが筆者の足となる。

そんな訳で、今回はこのクルマのデビュー戦の記録を書いてみたい。クルマなんて興味ねえ!…という人にはゴメンナサイという内容になるけれど、まあそこはそれということで(笑)




行先は、白河〜棚倉をむすぶR289界隈の田園地帯である。ここは地形的には細長い盆地の連続帯で、幅2km、長さ12kmにわたって電線や看板などのきわめて少ない平地があり、クルマの写真を撮るにはなかなか良いコンディションの風景が広がっている。ちょうど真冬のデビュー戦であるから、筆者はここで雪原の夜明けのシチュエーションを走る…という伊達と酔狂をやってみたいと思ったのである。

白河をざっと走ったのちは、那須高原に入って牧場エリアを走ってみた。慣らし運転をしながらなのであまり無茶はできないけれども、まあ雪景色のレポートも兼ねて書いてみようと思う。



 

■ デビューは氷点下6度の未明から




そんな訳で納車の儀式から9時間後、午前五時前に自宅を出発。ディーラーでは引渡し前に丁寧に拭き上げてくれたけれども、一夜明ければ新しい愛車はすっかり凍り付いていた(^^;) 気温は氷点下6度。那須野ヶ原ではこのくらいの気温は珍しくないけれども、納車間もない塗装面には少々酷な環境かもしれない。…まあ、ニッサン工場→オーテック工場(特別使用車なので2週間ほどかけて装備を改装する)を経由してきているので、営業曰はく 「塗装面はもう安定しています」 というのを信じよう。

新型はヒーターの出力が高いようで、エンジン始動後2分も立たずにエアコンは温風を潤沢に吹き出し、ガラスの霜や曇りはみるみる取れていった。シートヒーターもなかなかに強力で、さすがは標準で寒冷地仕様を謳っているだけのことはある。




値段の割に機能が(中略)と言われるMOPナビだが、アラウンドモニターやらカーステやらの操作感は統一されている。とりあえず細かい機能はどうでもいいので、行先を棚倉方面にセットしていざ出発♪




昨夜振った雪はたいしたことはなく日付が変わる頃には止んでしまったらしい。路面は霜で凍り付いてはいるが積雪はない。ひとまずR4に乗って白河を目指していく。

昨日まで乗っていたT30と比べると、T32はかなり静穏性に優れている印象だ。サスはちょっとうまく制御しすぎで、どちらかというと路面の凹凸をダイレクトに感じたい筆者としては 「お節介すぎないか?」 というくらい滑らかな乗り心地に調整されている。これは単純にサスが柔らかいという話ではなく、アクティブに制御してドライバーに衝撃を伝えないようになっているものらしい。…うーむ、やはり13年も経過すると技術は進歩するものなんだねぇ。




白河市内に入り、市街地はスルーしてR289に乗る。路面は綺麗に除雪されていて、雪道を期待してきたのに少々拍子抜けな感がある。




表郷付近で旧道に入り、鶴子山をかすめて盆地の中央付近に出てみることにした。幹線道路から外れると路面は凍結してアイスバーンとなっている。そうそう、こうでなくては♪

ちなみに轍(わだち)が3本になっているのは除雪車が押しのけた雪が道路端を占領しているので行き交うクルマが微妙に道路中央寄りになって真ん中の轍が重なってしまったものだ。雪国ではよく見られる不思議風景である。




この凍結路で四駆モードはAUTOのままグリップの状況を確認してみた。特に滑る感覚はなく、安定して走ることが出来る。除雪で避けられた雪を感知してセンサーがピーピー言うのがいささかうるさい(^^;)



 

■ 雪原を行く




さて筆者がいまいるのは、白河市西端〜棚倉町〜浅川町にかけて広がる回廊のような盆地の連続帯の西側1/4くらいの場所である。ここはちょうど東西に長い平地が広がっていて、盆地の中央付近から朝日の登る方向をみると余計な構造物のない風景をみることができる。

※写真を撮るなら那須高原でも別に悪くは無いのだが、今回はせっかくのデビュー戦なので近所は避け、ちょっとだけ越境して陸奥国のエリアに入っている(^^;)




市街地を抜けて、ひろびろとした田園地帯に出た。ここで少し走り回ってみよう。…といっても白河市では除雪はわりとマメに行われていて、生活道路ではあまり白い路面の露出はない。




ということで脇道の圧雪路面に入ってみた。除雪車の入らない狭い農道である。積雪深度は10cmくらい。ここでも足回りには不安感はまったくなし。




その足回りのアップ。出荷時に穿いていたノーマルタイヤは納車時にスタッドレスに変えてしまったので、ブラックエクストリーマー専用の黒いアルミホイールではなくシルバー系の冬タイヤ用アルミホイールになっている。




タイヤは定番のブリザック。最初は17"ホイールにしようと思ったのだけれどタイヤにバリエーションがなかったのと、ほとんどの人が16"にインチダウンして厚タイヤを履いているのでそれに倣った。16"は数が出るのでタイヤが安価に済む(17"の7掛〜半額くらい)という特典もある(^^;) 雪国ではこういう穿き方をしている人の方が多い。




それにしても真っ白な世界だな・・・。

いくらスタッドレスを履いているといっても、2WD車でこういうところを走るのは少々勇気が要る。4WD車であるからこそ安心して入っていける訳で、やはり足回りというのは重要だと思う。




さてふたたび除雪路に戻った。気温は氷点下のままで、路面を踏むとシャリシャリとした感覚だ。




時刻は6:30を回って、徐々に周囲が明るくなってきた。さて自然光で見る愛車の姿は…と思いながら、いろいろな角度で撮ってみる。

うーん…それにしても、この塗装色を "カーキ色" だと認識する人がいったいこの世に何人いることだろう。どうみてもスーパーブラックにしか見えないのだが…(笑)



カーキ色…カーキ色…うん、これはカーキ色なんだよ、ブラックにに見えるのは人間の目の方が間違っているんだよね。きっとそうだよママン…そう言って( ̄▽ ̄;)



 

■ 日の出




そのままゆるゆると棚倉町方面に向かっていくと、どんよりとした空が明るくなり…




やがて太陽が昇ってきた。




愛車と初めて迎える朝は、こんな光景だった。低い雲が垂れ込めていたのでどうなることかと思ったけれども、まるで映画のワンシーンのようなライジング・サンを捉えることができた。




日が射すと、凍てついた雪原から朝靄がゆっくりと湧きあがる。

雪の吸音効果でまったく音のしない、無音の世界。そこに、光だけがゆっくりと静かに満ちてくる。




愛車にも朝日が届き始めた。




光が当たると、徐々にチタニウムカーキの色が見えてくる。

日が暮れてからの納車でそのまま夜が明けないうちに走ってきたの筆者は、このときはじめて太陽光のもとで愛車の姿を見た。これはちょっとした感動だった。




雪原の夜明けは劇的だ。ものの10分ほどで空は澄み渡り、青と白で塗り分けられた世界が浮かび上がった。




日が昇るにつれてクルマの色味もはっきりとわかるようになる。




どうやら地の色は黒で、メタリック成分で色を出しているような感じだな。光があたると漆地に金粉を撒いて磨き上げた蒔絵のような色合いになる。光が当たらない部分は黒く見える。これを称してチタニウムカーキと呼ぶらしい。…カタログの印刷色とは随分違っている気がするけれども(笑)、これはこれで面白い色だ。




とはいえ周辺が真っ白な雪原だと、相対的に明るさ負けして写真写りは黒くなってしまう(笑)

…いい色なんだけど、写真を撮るときには悩ましいことになりそうな気がするな(^^;)


<つづく>