一ヶ月点検とオイル交換


一ヶ月点検でオイル交換をしたのでその話を少し書いてみたい。



一ヶ月点検といっても、いまどきの日本車で納車後すぐに壊れるということはほとんどない。初期不良の洗い出しと顧客の乗り方のチェック(たぶんそのうち色々とDMが来る筈 ^^;)くらいが目的で、この点検を実施するとメーカーからディーラーに奨励金が降りるので 「是非ともウチに」 とうことになっているらしい。系列にとっては顧客の囲い込みの一環で、これも販促活動の一環と言える。ユーザーにとってのメリットは、点検そのものは無償ということと、初回のオイル交換をこのタイミングやっておきたいというあたりだろうか。



ちなみに筆者は房総方面ロングドライブ等、テスト走行を結構やったので1ヶ月点検の時点で2000km以上メーターが回っていた。これで 「こいつ走り屋じゃねーの?」 と思われたのかどうかは定かでないけれども(笑)、無償のオイル交換は6ヶ月点検に回して、もうあと1サイクルをモービル1で過ごしては如何でしょうなどと営業されてしまった。そこココロは、新車の立ち上がりのときに積極的に鉄粉を取り除いて、エンジン寿命を延ばしましょうということらしい。

実のところそんなにマメにオイル交換などしなくても、欧州車などは全然平気で(走行2〜3万kmで交換)走っていたりするのだが、筆者は敢えてこの提案に乗ってみることにした。初期の鉄粉除去がその後の走りにどう影響するのか、実験してみるのもまた一興と思ったからである。




…で、交換したオイルの状況はこんなものだった。左が新品オイル、右が慣らし運転後(=今回)抜いた納車時に充填されていたオイルである。真っ黒になっているのはエンジンの摺動部から出る微細な鉄粉によるもので、シリンダーなどの摺動(スライド)部分が馴染んでいく過程で出てきたものだ。

なお初期充填のオイルには有機モリブデンが添加されていて、この摺動部の微細な凹凸を埋めて滑りやすい面を形成するのに一役買っている。無料交換のオイルにも有機モリブデンは入っているのだが、営業はこのオイルは長く使ったほうがいいから、鉄粉除去の目的ではモービル1で短期間回してみたらどうなのと勧めてきたわけである。(実際に効果があるのかどうかは実験してみなければわからないけれども ^^;)




その汚れたオイルをガラス板の上に滴下してみた。




デジタル顕微鏡でまずはx20倍に拡大。この程度ではオイルが黒く汚れていることはわかっても鉄粉までは確認できない。




さらにx200倍まで拡大すると、鉄粉の黒い粒が確認できた。実際にはこうして粒として見えているのは鉄粉の中でも横綱クラスのものだけで、もっと細かいものが無数にオイル中に分散している。なんとなく茶色っぽく見えているのはその微細な鉄粉によるものだ。

こういうものがオイルの中に混ざったままだとシリンダーの摩擦面でゴロゴロと転げまわってメカ面を荒らすので、慣らしが終わったころにオイルごと交換して除去する…というのが、初回オイル交換の目的ということになっている。

今回はディーラーの口車に乗って、この除去サイクルをもう1回繰り返してみることにした訳だが、はたしてその結果はどうみえてくるのだろう。…いずれにしても、しばらく乗ってみないことにはわからない(´・ω・`)




■ おまけ:ヘッドライトの光軸について




ところで筆者は一ヶ月点検で 「光軸のバランスってこれでいいの?」 という質問をしてみた。これ(↑)を見ていただくと分かるように、ライトと右目と左目で光軸がズレているように感じたためだ。

結論からいうと、これは不具合ではなく 「狙って調整しているもの」 とのことであった。ディーラーによると、対向車が眩しくないように、センターライン側(ここでは右側)のライトはちょっと目線を下げてあるらしい。これはハロゲンランプのクルマでも同じだそうで、ただLEDライトだと照野のエッジがカッキリとわかりやすいので気が付きやすいのだそうだ。




そんな次第で、特にコトもなく点検は終了。帰り際にスピードくじを引いたら5等賞のウェットティッシュだった。絵柄からすると 「気分だけリッチ」 で生きて行けということらしい。うむむ( ̄▽ ̄;)