2006.04.22 沖縄旅行記(その8)




■ プライベートビーチへ




食事とコーヒーで1時間ほど待っていると、やがて雨がやみ多少明るくなってきた。曇り空には違いないけれども、若干状況が好転したので海岸に出てみることにした。




伊計島の東〜北端は、波の荒い太平洋に面しているためか遠浅の砂浜ではなくゴツゴツとした石灰岩の岩場が続く。本土の磯と違って、ここの岩場は1枚岩の石灰岩の塊だ。




その石灰岩の侵食された残骸としての砂礫が、岩場の間に小さな砂浜を作っている。金武湾側の大泊ビーチと違って、海が荒れればそのまま砂が波に持ちされれてしまうためか、砂の量は少ない。




沖をみると波が立っているラインがある。あそこがリーフの外縁らしい。




そんな風景を横目に、ホテルマン氏に勧められた散策路をあるく。目指すは岬の突端だ。

あたりには鳥の声と波の音だけが静かに響いている。ちょっとした至福の時間だな。




なにかがブンブンと花の周りを飛んでいるのを見つけた。一瞬ハチドリかと思ったが、どうやらスズメガかなにかの一種らしい。ホバリングしながら花から花へと飛んでいる。




道はやがて岬先端の小さなプライベートビーチに到達し、そこで終わっていた。




ここが、伊計島の最北端。今回の旅の終点である。
以前来たときには木造の休憩施設があった筈なのだが、今回はそれはなくなっていた。

それにしても、ホテルの敷地内にあるプライベートビーチの割りに、海水浴客の姿は一人も見えない。ゴールデンウィークにでもなれば人は来るのだろうか。花鳥風月よりホテルの経営状態のほうを心配してしまいそうだが(笑)、まあそれは余計な詮索かな。




・・・と、そのとき突然日が差し始めた。




なんと、全天を覆っていたはずの薄雲が、まるで潮が引くようにサーっと消えていく・・・
昨日の空模様と同じだ。待った甲斐があった・・・♪ ヽ(´ー`)ノ




日が差すと、たちまちビーチは色鮮やかになった。もう引き返さなくてはならないギリギリのタイミングで、またもや奇跡的な晴天に恵まれた。離島の天候は、本当に予測しがたいものだ。




ともかく、これで伊計島最北端でビーチの写真を撮るという目的は達した訳で、本当に一安心である。やはりアレだろうか、日ごろの行いがよければ天が味方してくれるということで(をい)w。




それはともかく、こうしてみると水はものすごく綺麗なんだな・・・。沖縄本島をとりまくリーフの列の、ここは東側の突端にあたる。ここから向こう側は、もう外洋(太平洋)だ。

琉球時代の交易船は、この海を越えることはなかった。彼らが向かったのは、北方の日本、西方の中国大陸、南のフィリピンやインドネシア方面である。東に広がる太平洋は、海の民である琉球人にとっても大きすぎ、ついに征服はされなかった。

その水平線を眺めて、多少心残りはあるものの、筆者は帰投フェーズに移行することにした。




■ 海中道路を戻る




ホテル敷地を出てクルマを走り出させたところで、本格的な晴天になった。せめてあと1時間早く晴れて欲しかったけれども、まあ贅沢は言うまい。

↑の写真は伊計島の中央を走るメインストリートである。かつてはサトウキビ畑を走る道だったが、いまでは右側が一面のタバコ畑、左側がまだら模様のサトウキビと防風林の混在地だ。良くも悪くも、変化しつつある現在の沖縄を象徴する道路のように思えた。




道を戻って、ふたたび伊計島と宮城島を結ぶ伊計大橋に出た。今回は日差しがあるので多少まともな写真が撮れそうだ。ただ日が傾いてきているので海面反射が気になるところ。やはりPLフィルタは常備すべきだな・・・




縮小するとわかりにくいが、ここは潮の流れが速いらしく、岩を抜けて流れていく水が水面に複雑な文様をつくりだしている。目で見た印象としては、写真で見るよりずっと綺麗にみえる。




さらに戻って海中道路に出た。




途中、ちょうど道路の中間付近にあるパーキングエリアに立ち寄った。




見ればちょうど潮が満ちてくるところであった。午前中は干潟になっていたところに水が満ちて、エメラルド色の水面が広がっていた。




陸橋からみる海中道路。




その陸橋から、浜比嘉島方面をみると、侵食された岩礁が並んでいるのがみえた。ちょうど海水が満ちてくるところで、砂地の一部がまだ顔を覗かせている。




その砂浜を300mmでいっぱいに狙ってみた。潮が満ちてくるタイミングで絶妙の構図で撮れたと思う。これが、この日海を撮影した最後の写真になった。




【帰路】




さてその後はひたすら那覇を目指して走り、国際通りで土産を物色することにした。撮影時間が長引いたので駆け足の買い物である(笑) 奇跡の1マイル・・・などと呼ばれる国際通りだが、本土の観光地とくらべて極端に国際性豊かかといえばそんなことはない。いたって普通の商店街のように思える。




駆け足なので何か沖縄らしいものを・・・と思うのだけれど、どうにもアヤシイ系のものにばかり目がいってしまうのは性(さが)か・・・w




こんなものまで売ってるのね・・・(^^;)




沖縄限定グッズもたくさんあるが、座布団一枚級から訳のわからん級までいろいろありすぎてちょっと判断に迷うw 結局最後はありきたりの路線で閉めたような気がする。




そして、3日間で270kmほどを走りぬいた旅は終わったのであった♪ ヽ(´ー`)ノ
270kmというとドライブ距離としてはたいしたことはないけれども、一箇所あたりの滞在時間が長いのでこれでも結構目一杯といえる。離島を巡るときの参考値のひとつとして記録しておこう。

それはともかく、曇天/雨基調とはいえ晴れ間もあって、当初予想した 「最低旅行記」 にならずに済んだのは不幸中の幸いであった。もし次回があれば、今度こそ快晴の空と海を見たいものだな。

それでは、さらば沖縄、ばよえ〜ん。

<完>