2008.04.11 桜周遊 (その3)




■那須野ヶ原公園




混雑+どんちゃん騒ぎの烏ヶ森を後にしてR400を山側に移動し那須野ヶ原公園を目指した。この天気だと千本松牧場も混雑しているだろうから多少空いた場所を選択した次第。


・・・

とゆーか、人がいなさ杉なのだが( ̄▽ ̄)

公園内の花具合はどうもいまひとつぱっとしない。これだと人も来ないだろうな。




せっかくだから展望タワーに登ってみよう。




遠目にちらほら桜が見えるが、公園内の花と緑の季節はもう少し先のようだ。人もまばらで人口密度はご覧の通り。



遠景をみれば、もうずいぶん山の雪も融けてきた。このぶんだとGWには雪は残っていないかもしれないなぁ。



公園南東側の調整池周辺はちょうど桜が見ごろを迎えていた。ただしこちらは草地試験場の敷地になるので勝手には入っていけない。タワーから眺めるだけにしておこう。



そういえば東京の防災対策として叫ばれた首都機能移転が、東京都自身の猛烈な反対によって頓挫してから、もう何年たっただろう。風景的には今の田園地帯のままのほうが絵的に美しく、無用な開発がなされなかったことは景観の立場からすればよかったともいえる。




公園内にはヤシオツツジも咲いていた。これが咲くと "栃木の春" という気がする。(※ヤシオツツジは栃木県の花に指定されている)




■那須疎水の沿線など




定番コースならここで千本松牧場の表側に立ち寄るところだが、今回は混雑を避けて裏手の那須疎水側を北上してみることにする。




こんなマイナーな裏道からも、それなりに視界が通って遠景の桜を見渡せる場所があるのである。




公園のように "見せること" を目的に整備されている訳でもないので絵的にどうか…といわれると微妙なところではある。しかしたまにはこういう野趣も良いではないかヽ(´ー`)ノ




なんといっても電線が視界に入らない遠景が得られるといのは貴重なのである。



那須疎水の流れと桜。一見すると葉桜のようにも見えるが、緑の葉は実はヤドリギである。"自然" に任せておくのが良いのか定期的にこの種の寄生樹を取ったほうが良いのか・・・悩ましいところだが、まあここは Let it be の精神で眺めるだけにしておこう。




さて裏道を進んできたひそかな目的のひとつがこのコブシの木である。

・・・が、来るのが1週間ほど遅かった模様で大部分の花は散ってしまっていた。広大な牧草地の中に一本だけ立っているので非常に絵になる一本なのだけれど、毎度毎度良いタイミングを逃しているような気がする。…まあ新緑の頃にもういちど見に来ることとしようか(^^;)




そのままマイナーな田舎道をゆるゆると北上してみた。広葉樹の木々が芽吹くにはまだ早く、暖かいといわれるこの春の陽気のもとでも風景はまだ早春の雰囲気に満ちている。東京ではすっかり新緑の季節だが、このあたりは一周遅れで季節がやってくる。




那須疎水より標高の高いこの付近は一面の牧草地の広がる酪農地帯である。大規模な西洋式開拓モデルが適用された明治期の雰囲気がいまだに残滓として残っている。観光客向けに化粧を施した幹線道路沿いではなく、一歩か二歩、奥まったところに足を踏み入れると昔ながらの素朴な景色が広がっている。




ここで春を告げるのは、桜ではなく一面のシロツメクサの白い花絨毯。


そんなシロツメクサの絨毯の向こうに、一本の桜が立っていた。豪華絢爛な桜も良いけれど、那須の景色としてはこんなささやかな一刺しの紅も捨てがたい・・・そんな気分に浸ってみた。


<完>