2014.04.12 那須野ヶ原の桜の見所を行く(その1)
那須野ヶ原の桜が本格化したので軽く周遊して参りました (´・ω・`)ノ
先週はようやく大田原市内に桜前線が届いたかな…という状態であったけれども、いよいよ那須野ヶ原に本格的な桜の季節がやってきた。今回は主に近場を巡って桜模様を眺めてみることにしよう。
■ 塩野崎~蓑輪付近
そんな訳でいつもの如く那須塩原駅を起点として、r53(駅前道路)を黒滝山方面に向かって走り出す。天気は上々、本日はまずは山側をチェックして、然る後に扇状地を下っていくルートで行こう。
この時期の駅前道路は少しずつ見頃の異なる木々の花と芽吹きが美しい。ここは那須御用邸に通じる皇室ご用達の道路ということもありナニゲに街路樹がマメに手入れされている。ちょうど今見頃を迎えているのはコブシの白い花で、塩野崎の唐杉交差点からガーデンアウトレットのあたりくらいが綺麗であった。
奥にみえる黒滝山の残雪はもうほとんど無くなってきている。雪がまだしっかりと見られるのは会津に近い第二列以降の山々だが、冬季に雪が多かった割には例年並みの雪具合である。3月半ば以降に急に暖かくなったのが効いているのかもしれないが、GWくらいまでは持ってほしいところだな。
蓑輪からは旧高林街道に入り、古い集落を転々と縫うように行く。見れば少々気の早い鯉幟が上がっている。背景となっている大倉山と絶妙にマッチしてイイカンジだ。
■ 高林神社
まもなく高林集落の鎮守である高林神社に到着。とりたてて大きなスポットではないけれども、農村ならではのまったり感のある神社で、筆者は暇な時にはしばしば訪れている。
ここは明治維新以前は大田原藩の領地の北限で、大雑把にいって南北に走る r30 を境界にして幕府領(天領)と接していた。元禄八年(1695)の会津中街道の開削以降は小規模ながらも宿場町となり、人の往来する街道沿いに細長く集落が広がった。その中心付近にあるのが高林神社である。
桜はちょうど咲きそろったばかりの頃合であった。みれば農家の御婦人方が早速花見に興じている。大勢でドンチャンやるのもいいけれども、本来の田舎の花見というのはこのくらいの人口密度でささやかに行うのが情緒があって良いと思う。
花具合はちょうどシャッキリ感のある8~9分咲きくらいである。一番花の状態が良いのがこのくらいの咲き心地のときで、桜吹雪の頃にはもう花びらが5枚揃っている花が減ってしまうのでアップでの撮影が難しくなってしまう。
そういう意味では、撮影に本当に適した桜の見頃というのは3~4日くらいしかない。特定の "名木" を追いかけて撮影しているマニアな人などは、さぞや大変なのではないかな(^^;)
ところで先ほどの鯉幟の写真でも分かるように、この日は少々風があったのだが、実はここではほとんど桜の枝が揺れていない。どうやら神社の森が防風林の役目を果たしていて、直接風が当たらないようなのである。これはなかなかよく考られている。
桜は二の鳥居付近にあって、その奥に向かって50mほどの厚みをもった杉林があり、参道を進んでいくと神社の拝殿に至る。古くから村を守ってきた鎮守社である。
神社だけではなく、この付近の古い民家はみな屋敷森を持っている。山から吹き下ろす冷たい風を避ける生活の知恵みたいなもので、風除けに植えられているのは冬でも葉の落ちない杉の木が多い。
こういうところで大切に守られている桜は、きっと花の寿命も長いのだろうな…(´ー`)
■ 木綿畑~鴫内
さて神社を出た後は、道なりに木綿畑から鴫内方面に足を伸ばしてみた。途中、いくつものヤシオツツジを見かける。一般的にはツツジというと5月に咲くヤマツツジを連想する人が多いかもしれないけれども、新緑の前に咲く4月のヤシオツツジから始まって、5月のヤマツツジ、6月のレンゲツツジ…と、那須のツツジ類の見頃は意外と長い。これが咲くとようやく春到来という感じがする。
桜の開花ラインは、木綿畑あたりが五~六部咲きという感じであった。高林神社からせいぜい1kmくらいなのだが、桜前線はどうやらこのあたりをじわじわと進行中らしい。
見ればここでも桜は防風林で守られながら風下側に位置している。…というか、まず屋敷森と住宅という関係があって、桜は住宅寄りに植えられているので結果としてそうなったと見るべきかもしれない。公園や堤防の吹きさらしの空間に植えられている桜と違って、古い集落に混在する桜はこういう点で少々面白味がある。
そのまま鴫内まで行ってみたけれども、さすがに山沿いぎりぎりまでくるとまだ桜の季節という感じではなかった。そんなわけで牧草地と那須連山を眺めて、まだ幾分冷たさの残る風に吹かれてみた。ここは余計な電線や看板がなく、空間がとても広く感じられる。
牧草地の中には白い花がぼちぼち咲き始めている。派手さはないけれども、こういう風景もなかなかに良いものだな。
…ということで、ここからは反転してふたたび桜を追って那須野ヶ原を下っていくことにしたい。
<つづく>