2014.05.03 新緑の那須を周遊する:後篇(その1)




前回の続き~(´・ω・`)ノ

 ■ 木綿畑




さて長すぎるので途中でブツ切りにしてしまったけれども(^^;)、ここから続きを書いていきたい。

蛇尾川を渡ると、まもなく木綿畑である。地名としてはかつて宿場町であった高林のほうがややメジャーな感があるのだが、筆者的には写真映えするひろびろ景観がある木綿畑のほうが、爽快感があって気に入っている。




とにかくここには、何もない(^^;) …それが、素晴らしくよろしい♪ 印象としては、前回紹介した箒川沿いの金沢地区に共通するものがある。




何もないといってもここは単なる空き地ではなく、水田と牧草地が混在している開墾地である。特徴的なのは民家が一区画離れたところにあって、農地部分には電線や看板がまったくないことだ。おかげで余計なもののない非常に開放的な空間が開けていて、写真映えするのである。




ここは集落そのものは江戸時代に本田/新田が成立しており、天領であったので天明の飢饉以降は幕府の食糧増産の実験場のような立ち位置にあった。ただし水利がなかなか改善せず、本格的に農地が広がったのは明治以降になってからである。




写真映えのするエリアは戦後になって水利改善と区画整理が行われたところで、今回は新緑がテーマなので歴史の話はカットするけれど、28年余りにわたる土地改良があり、いろいろと先人の苦労が積み重なって今の景観に至っている。



その広々空間の奥にある鴫内山をみると、ちょうど新緑が山肌を登っていくところであった。ここは平地部分と山のてっぺんの標高差がざっと1000m、気温差に換算すると約6℃ほどの温度勾配がある。これは4月~5月にかけての1ヵ月分の平均気温の変動幅とほぼ同等で、つまり過去1ヵ月分の季節変動を巻き戻して見ているようなものと思えばよい。

こういう景色を見ていると、秋の紅葉バンドの遷移についても言えることだけれども、季節というのは一様に進むものではなく、潮が満ちるように…あるいは引くように、じわじわと等高線に沿って進んでいくものであることが理解できる。その先端は、この写真から読み取ると本日は標高800~900mの付近にあるらしい。

塩原温泉が550m、板室温泉が520m、那須湯本が820mであるから、まあ主要温泉街については本日は一応新緑の範疇にある(湯本だけは少々微妙?)と思って良さそうかな。




■ 渋滞エリアを突破する




さてここからは渋滞エリアである那須街道(r17)を一気に抜けていく。写真(↑)は戸田~西岩崎付近の r30 である。

ここは以前は緑のアーチのとても美しい場所だったのだけれど、栃木県庁による 「あまりにもバッサリ伐りすぎだろー!」 的な男気のある剪定の結果、緑のトンネル感がすっかり消失してしまった。筆者的にはもう少し伐り方に美的センスを望みたいところなのだが…

…そんな訳で、この界隈については大幅にカットして先に進もう orz




やがて禁断の那須街道(r17):広谷地の交差点に至る。ただしクルマは多いけれども、皆ロープウェー方面を目指して行列をつくっているだけなので、注意すれば即死には至らない。流れに乗らずに横から突っ切るだけにするのがコツである(※)。

ちなみにロープウェーの駐車場は早朝のうちに満杯になってあとはドン詰まりになってしまうので、いったんこの渋滞にハマるとえらいことになる。GWの那須を周遊する際には最大限、気を付けたいところだ。

※渋滞はしていても信号機があるため突っ切るだけなら数回の信号待ちで突破できる




広谷地を過ぎて池田の交差点まで来ると、早くも殺生石方面からリターンしてきたらしいクルマの列がりんどう湖方面に向かって列を作っていた。ここも渋滞の流れには乗らず、すみやかに逆走で通過する。とにかくこの付近では長居をしてはダメである。




危険ゾーンを抜けたら、以降は県道68号線(r68)に乗っていく。この道路は実質的にr30の延長部分で、白河市の領域に入ったところでR4に合流する。街道としての歴史はそこそこ古いようで、江戸時代中期頃から白河方面の人が那須を訪れる際によく使っていたらしい。

白河からの呼び名は "那須街道" で、r17の別称= "那須街道" と微妙に(かなり?^^;)紛らわしい。ただ昔は自分の集落を基準に行先の地名を充てて "○○街道" と称することはよくあった。その点では無機質な "県道○○号線" などの名称よりもよほど情緒に満ちた名前といえる。




それにしても…いやもう、池田を抜けるとホントにクルマが少ないな(^^;) うまく分散すれば地域全体としてはまだまだキャパに余裕はありそうなものだけれど…まあ、それを言っても始まらないかw



 

■ 余笹川公園




さて間もなく余笹川公園を通過する。ここも地味ながら筆者がちょくちょく訪れるところだ。渓流と川柳と雪山がイイカンジになっている。




桜はさすがにもう散ってしまって、最後の数輪だけがかろうじて花びらを留めている。




現在は名前の良くわからない鈴成りの白い花が満開だった。




…が、それ以上のトピックスはないので、先を急ごう。


<つづく>