2016.08.13 エクストレイルの燃費はどこまで伸びる?
たまには軽い内容を(´・ω・`)ノ
さて今回は少々ネタ的な内容で書いてみたい。愛車を乗り換えて8ヶ月目に入り、そろそろ走りの癖もわかってきたので燃費の数値をどこまで上げられるのか、ちょっとイタズラをしてみたのである。
この日、筆者は茶臼~朝日岳方面をゆる~くトレッキングしていた。下界は曇り基調だったけれども高度を上げると雲海の上に出ることが出来、そこそこの行楽日和であった。…が、どのみち山岳系の話題は紅葉のときに何か書くであろうから、これをそのまま記事にしてもネタが被ってしまう。…ならば帰路の走りでちょっと実験をしてみよう、と思い立ったわけだ。
そこココロは、標高の高い位置からひたすら下り道を転がすように走らせたら見かけ上の燃費が伸びるんじゃないの…というきわめて単純な試みである(笑)
…あ、石投げないでw
■ 世間では燃費偽装問題で騒がしいようだが
さて2016年8月現在、世間ではM菱自動車の燃費偽装問題がいまだに尾を引いている。ここは旅と写真のサイトなので時事問題の論評は差し控えるけれども、一般にクルマの実燃費がカタログスペックと乖離しているのは、まあ周知の事実であって今更驚くようなことではない。
筆者の愛車 ニッサン エクストレイル T32 (ガソリン仕様) について言えば、カタログスペック燃費が 16km/L、実燃費は平均すると 10~12km/L くらいである。これを
嘘つき係数=(1-実燃費/カタログ燃費)x100 [%]
で数値化するとウソ度は 25~37.5 [%] となり 「日産の営業トークは3割くらい差引いて聞くのが適正」 と評価することができる(笑) まあ夏場はエアコンの負荷で10%くらい燃費が悪くなるのは通例なので季節要因を差し引いてあげないと不公平かもしれないけれど、3割引いて適正というのは感覚的にしっくり来る気がする(^^;)
それはともかく、今回はこのようなコース(↑)で下り最速…ならぬ 「下り最高燃費」 を狙ってみることにした。スタート地点は標高1308mの大丸温泉共同駐車場で、ゴールは同294mのJR黒磯駅である。
このルートでクルマを転がすと、ほぼ理想的な下り一辺倒のコースが27.5kmほど連続する。スタート地点~ゴール地点の標高差は1014m、平均勾配は単純計算で3.7%である。ただし広谷地以降の後半部は傾斜がゆるくなって1.3%程度になる。
途中では信号待ちも発生するので "勢いに任せてジェットコースターもどき" …という訳には行かないけれども、とにかくこの条件でどの程度の値が出るのか試してみよう。
※実際には幾らか事情があってこのコースになったのだが・・・まあそれは後ほど別途(^^;)
■ 大丸温泉
そんな訳で、ここがスタート地点の大丸温泉である。
朝方見えていた雲海は日が高くなると高度を上げて、山を飲み込んでしまった。雲海は下界から見上げると単なる曇り空で、山がすっぽり隠れてしまうので観光客はあまり登ってこない。お蔭でオンシーズンなのに駐車場がガラガラになっている。
燃費実験をするには、実はこのくらいが丁度よいと思う。これが快晴だったりすると観光渋滞が発生して、スムーズに走ることが難しくなるからだ。
・・・ということで、前振りはそのくらいにして、いざ出発…♪ ヽ(´ー`)ノ
ちなみにエクストレイルの四駆モードは AUTO(標準設定)、燃費は ECO モードで、エアコンは冷房23℃に設定している。…まあ、夏場の普段のセッティングである(^^;)
■ 殺生石~湯本温泉街
そんな訳でボルケーノハイウェイを転がすように下り始めた。
先ほど図示したコース断面の傾斜だけ見ていると理想的な下り坂にみえるかもしれない。しかし山岳道路はクネクネとカーブが連続するので、すぐにブレーキで減速するような走りになる。
このコースを俯瞰するとこんな感じである。この付近はかつては "奥那須" などと呼ばれたところで、もとは登山道であったところを拡張して自動車道路が造られた。
ここをボルケーノ・ハイウェイと名付けたのが誰なのか筆者はよく知らないのだが、ここでいうハイウェイとはもちろん高速道路という意味ではなく、単に 「高所を通る道です」 という意味である。
やがて殺生石をかすめて那須湯元温泉街を下っていく。元々この付近は那須温泉神社の参道の一部で、自動車が普及する以前に作られたこともあって傾斜がキツい。下手にスケボーなどで下るとスピードが乗りすぎてちょっと怖い思いをするだろう(^^;)
そこを過ぎると傾斜はだんだんと緩めになっていく。ここから先は "登山未満" の観光エリアだ。
■ 一軒茶屋~広谷地
湯本温泉街を過ぎるとやがて御用邸の入口=一軒茶屋の交差点に至る。御用邸側に入ってしまうと影のように現われる謎のエージェント(笑)に職務質問されてしまうのでここは真っ直ぐ進んでいく。
・・・が、せっかく順調に下ってきたのに何とここで渋滞に遭遇!( ̄▽ ̄;)
うおお、何てこったい!
最初はちょっとした信号渋滞かと思ったが、そうではないようだ。信号を超えても車列は延々と続いている。これは那須の典型的な観光渋滞のパターンだ。
…やはりオンシーズンの那須は侮りがたいな。
ラジオの交通情報では那須IC方面の渋滞は10kmほどもつながっているらしい。エコな走行とは対極にあるような "チョコ停の繰り返し" でノロノロ運転が続いていく。
このぶんだと、高速道路もドン詰まりの状況なのだろう。時刻は午後3時・・・首都圏方面に帰宅する観光客がそろそろ込み始める時間帯だ。まずいタイミングでハマってしまったな。
いつまでも発進しないでエンジンだけが回り続けていると、アイドリングストップが掛かり始めた。嗚呼、せっかく稼いだはずの燃費が無駄に喰われていく・・・
このまま進んでも渋滞に巻き込まれ続けるだけなので、ここで広谷地の交差点を右折し、那須塩原市(那須高原→那須野ヶ原)に抜けることを決断。とにかくこの渋滞から脱出せねば。
■ 西岩崎~小結
そんな訳で那須街道から r30 に入って、那須大橋経由で西岩崎を目指す。対向車線にはやはり渋滞の車列がみえる。どうやら黒磯板室IC方面から流れてきたクルマらしい。ナンバーをみると皆県外から来ているようだ。
そこを抜けて那須大橋あたりまでくると、ようやく車列は途絶えた。この向こう側は那須野ヶ原になる。ようやく余裕をもってゆったりと走れそうだ。
・・・と思いきや、すぐにまた渋滞(ぉぃ ^^;)。しかも登り坂で坂道発進。渡河ポイントは河岸段丘があるので一般に標高がちょっと低くなる。そこから抜けるところがコース中ほぼ唯一の登り坂になっているのだ。
ここで捕まると発進の際にエンジンに負荷がかかる。…ちょっとイタイな。
やがて西岩崎の交差点。写真では分かりにくいかもしれないが、この渋滞は単なる信号待ちではなく長く車列が続いている。おそらく筆者と似たような発想で那須街道から脱出して、那須ガーデンアウトレット~黒磯板室IC方面を目指しているクルマが列を作っているのだろう。
うーむ…仕方がない。こうなったら一般的なナビが黒磯板室ICコースで案内するであろう r30 を外れて、ここから左折して小結経由で青木方面に向かってみるか。
■ 小結~青木
r30から外れて小結(こゆい)方面に向かうと、ようやく渋滞から解放された。
ここで状況をまとめてみよう。実をいうと、筆者の当初の目論見は那須街道を素直に下っていくというものだった。山の上の状況を見て観光渋滞はそれほどでもなさそうだ…と踏んだ訳だが、予想は大きく外れて、すっかり転進コースになってしまっている。(※本稿の冒頭で紹介したコースは、こうして最終的に走った道筋を示している)
…とはいえ、こちらのルートでも下り基調であることには変わりがないので、まだ諦めずにゴールを目指してみよう。
という次第で、青木の酪農地帯を抜けていく。
このあたりは混雑とは無縁の、ゆったり、まったりとした世界だ。燃費トライをするのであれば、最初から最後までこんな感じの平和なコースを行きたいものだな。
■ 黒磯の市街地に入る
やがて青木から板室街道に入った。ここからは一路黒磯駅を目指す。
なぜ最初からこちらを目指さなかったかというと、那須街道コースは松並木が延々と続くだけで交差点が少ないのに対し、板室街道コースは信号の多い市街地を4kmあまりも抜けていくことになるからだ。つまり渋滞にハマる可能性があったので、出来れば避けたかったのである。
とはいえここまで来たら前進あるのみ。
うお、さっそく赤信号だ。クルマも増えてきて、結構混雑しているな。
・・・などと言っている間に、また赤信号。チョコ停も多くなってきた。もはや全然エコな感じがしないのだが(笑)、道路が混雑しているのはきっと神様の与え給う試練だと考えることにしよう。
そしてまたもや信号待ち。
さらに渋滞! ヽ(`◇´)ノ
そしてまたまた赤信号!
交差点の度(たび)にここまで狙ったように止められてしまうと、もう笑うしかないw
というか、燃費の神様…この試練は厳しすぎます ( ̄▽ ̄;)ノ
いよいよゴールが見えてきた…と思ったら、最後にまたもや信号で止められてしまった。
うーん、当初はもっとお気楽に、加速、減速の少ない "理想の走り" が出来ると思ったのだけれどなぁ…、企画の段階から無理があったか…
■ 黒磯駅(ゴール地点)
そんなこんなで、幾多の試練(?)を乗り越えてようやく目的地=JR黒磯駅に到着した。
…さて、それで肝心の燃費はどんな数値になっただろう?
これがなんと、25km/L の歴代最高燃費を叩き出していたのである。
…え? マジですか? あれだけ燃費の数値を下げそうなノロノロ運転やチョコ停があったのに?
ということは、渋滞の起こらないオフシーズンに、エアコンOFFで同じコースを転がせばもっと記録は伸びる可能性があるということか。こりゃ驚いたね。
そんな訳で、予想外のサプライズとなった記念に、腹も減ったことだしラーメンを食って自分にささやかなご褒美を謹呈(笑)
それにしても下り基調のコースというのは瞬間燃費値には露骨なまでに効果があるのだな。M菱自動車も、テストコースを超ロング下り一直線にすれば、わざとらしい偽装なんてしなくても "あり得ないような高燃費値" が(中略)・・・いやそれはないかw
【完】
■ おまけ
さて最高記録を更新したのち、いい気分になって買い物でちょい乗りを繰り返したところ、なんと 1.3km/L の歴代最低燃費 も叩き出してしまった(笑) おそらくは "短距離走行で燃費が落ちる" というヤツの極端な事例ということになるのだろう。
まあ一喜一憂しすぎるのもアレな気がするので、とりあえずは "楽しく乗るのが一番" と思うことにしておこうか(^^;)
<おしまい>