2008.10.04 姥ヶ平 (その3)







牛ヶ首からは朝日岳を目指すことにする。ただ、超絶晴天だった朝方と違って、かなり雲が湧いてきている。




噴気孔で硫化水素の香りにラリラリ〜ヽ(´∀`)ノ




噴気孔からひょうたん池を見下ろすと、登山者がこちらを向いて写真を取っている様子がみえた。

さきほど越えられなかったハイマツのブッシュは池の右側一帯。実は筆者の前にもう一人、ここを越えようとしている人がいたのだが、やはり諦めて引き返していった。この一帯では貴重な水場なので獣道が幾筋かあったのだけれど、この夏は何か異変でもあったのだろうか。




もう少し進んで北嶺側に来ると、砂礫と高山植物のパッチワークのような風景が広がる。ただしすっかり雲が広がってしまい、日差しが翳って鮮やかさの点では微妙…w




しかも、お目当ての朝日岳は猛烈な雲の向こう側…(^ω^;) うーん、やられたw




仕方が無いので、今は朽ちてしまった鉱山事務所跡を眺めながらマターリすることにした。

ここには戦後まもなくまで硫黄鉱山があり、現在の登山道やボルケーノハイウェイ、峠の茶屋駐車場などは実はほとんどが鉱山施設の遺産である。重要な歴史遺産のはずなのだけれど、その割にこれを保存しようとか記録を残そうという動きはほとんど(まったく?)みられない。せめて案内板のひとつくらい立てればいいのに…( ̄▽ ̄)




礎石や朽ちた柱の状況を調べていたところ、妙に偉そうなおっさんが近づいてきた。

そこに立ち入るな、と実に尊大な態度で命令してくるので 「お前さんこそいったい何者ですかい?」 という趣旨の質問をもう少し大人の表現(^^;)でしてみた。聞けば環境省の委託でパトロールをしているのだという。立ち入るなというのは鉱山跡地に入るなという意図ではなく、植物を踏み荒らさないように立ち入るなという意味らしい。

いったいいつそんな方針が決まったんだと聞く暇もなく、オイコラ属托氏はまた別の登山者に文句をつけに行ってしまった。…何なんだ、アレは?( ̄▽ ̄)




鉱山時代の構造物と思われる残骸は他にもたくさん残っているのだけれど、監視者がうるさいので写真だけで我慢して引き上げることにした。




さてしばらく下ってくると、なにやらロープが張ってある。あれれ、ここは定番の朝日岳の撮影ポイントなのだけれど・・・




はぁ? ・・・と、思わず脱力してしまった。これは悪い冗談ですか (´Д`)

国立公園の活用とか環境教育の拡充とか言って今までさんざん登山道の拡張工事をしまくってきたくせに、何をいまさら…というのが正直な感想だなぁ…。さっきの属托野郎氏も、この方針の一環として湧いて出たということか…。




自然保護といえば聞こえはいいのだけれど、今まで自由だった空間に突然霞ヶ関の役人が現れて 「ここはヨシ」 「ここはダメ」 などと命令し始めたのは、地元の人間から見ると非常な違和感を感じるんだよなぁ。とりあえず、さらなる変な規制が増えないように祈っておこう。

それからそこの属托! お前はまず挨拶の仕方から勉強しなおして来いっ! (`Д´)


【完】




■おまけ



登山口の鳥居付近で、岩倉脇の古い社が発掘されていた。通行規制のロープ張りと一緒に行われたものか、個別の整備事業かはよくわからない。登山道との位置関係からいって、茶臼岳の登山者を守護するための山神の祠のように思われた。




登ってみると、確かに山神なのであった。建立の日付などは彫られていないが、文字の摩滅の具合からみて現在の碑は案外新しそうな気がする。まあ時間があったら調べてみようか…。

それはともかく、せっかくの山神様なのでささやかな祈りを捧げておこう。

二礼二拍手一礼。
自由な山は皆のもの。変な規制の網をかけようとする役人どもに天誅を。


<おしまい>