2013.05.25 那須殺生石:御神火祭 〜玄翁和尚の周辺〜(その1)
今年も御神火祭を見て参りました (´・ω・`)ノ
今年も5月の那須を象徴するイベントである御神火祭を見に出かけてみた。御神火祭とは九尾の狐をモチーフにした火祭りで、毎年5月の第四土曜日の夜に行われている。狐の面を被った打ち手が殺生石の荒涼とした風景の中、大松明の炎をバックに勇壮な太鼓演奏を行うのが祭りのハイライトになっている。
神事でもあるのでイベントとしての構成は毎年ほぼ一緒で、おおよその内容は過去の記事(2009年、2007年)で紹介済みではあるのだが、今年は多少視点を変えて、殺生石を打ち砕いたとされる玄翁和尚の周辺事情を交えてレポートしてみたい。
■殺生石への道
そんな訳で殺生石を目指したのは当日も午後遅くになってからであった。曇天ではあるが雨の心配は無さそうで、いつもの如くゆるゆると那須街道(r17)を上っていく。付近はツツジがイイカンジで咲いており、今回は足を延ばさなかったが八幡のツツジ群落はこの日満開になったらしい。
祭りの会場は、殺生石である。那須湯本の温泉街の一番奥まったところで、賽の河原と呼ばれる荒涼とした岩だらけの硫黄の原が300mあまり続いて園地となっている。それを見下ろす位置に那須温泉神社が鎮座し、賽の河原のすぐ下流側には温泉が湧き出している。
ここに温泉が発見されたのは舒明天皇2年(西暦630年)のことと言われ、江戸時代に大丸温泉、北温泉、弁天温泉などが発見されるまでは那須(東麓側)の一番の奥座敷であった。歴史が長いだけに温泉街の規模も大きく、現在では周辺にリゾートホテルやペンションも散在してよりどりみどりの滞在スタイルを楽しめるようになっている。
道すがら、自生しているツツジを眺めてみた。ちょうど咲き始めの時期で、花に生気が宿っている。やはりこの季節のツツジはいいねぇ。
さて駐車場は満杯でクルマを停めるのも一苦労なのだが、一般の観光客は温泉街側で買物やら入浴やらに忙しいらしく、賽の河原にはそれほど人はいなかった。…まあ、世の中そんなもんだよな( ̄▽ ̄;)
千体地蔵の付近では、賽銭の10円玉が真っ黒な酸化銅となって溶けだしていた。最近は噴気が衰えたとはいえ、火山性ガスのあるところでは金属の腐食が甚だしい。土産物店ではすぐに腐食してしまう金属製のキーホルダーなどを敬遠して置かないところもあり、石の毒気いまだ滅びず…という芭蕉の言葉が形をかえて現代でも生きているようだ。
■九尾の夕市
ところで温泉神社降り口では、今年は "九尾の夕市" と銘打って売店コーナーが出来ていた。今まで無かったのが不思議な位だったので、この試みは素直に歓迎したい。
筆者的には、とりあえず腹が減っていたので豚汁と稲荷寿司で栄養を補給して一服♪
売り子のお兄さんも実に愛想がよく、おもてなしのココロが伝わってくる。ちなみに彼が被っているのは狐の面(簡易タイプ)で、御神火祭の松明行列に参加するとこれを被って歩くことになる。
こちらは温泉卵である。見慣れない人は 「なんで灰色…?」 と思うかもしれないが、これは硫黄泉に特有の発色で、お湯に含まれる微量の金属元素が硫黄酸化物となって卵の殻に付着したものらしい。内部までは浸透しないので殻を割れば中身は普通の温泉卵なのだが、火山地帯の雰囲気を味わうにはちょうどよさそうな一品である(^^;)
なお売店では買い物¥100毎にチケットがもらえるようになっていて、¥500ぶんで御神火祭をモチーフにした手ぬぐいと交換できるサービスがあった。これも新たな試みだな。
筆者もさっそくGETしてみたのだが、トボけた絵柄のデザインがナニゲに楽しいw
それにしてもロゴに "2013" と入っているからには、来年はまた2014年版を作るのだろうか。…こういうノリは筆者は好きなので、ナニゲに期待してしまうぞw
<つづく>
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