写真紀行のすゝめ:お出かけとか
天気予報動で出撃方面を見切る
今回は天気予報についてです。お出掛けをする、しない、あるいは出撃方面をどうするかは直前の天気予報で判断する人が多いと思います。ここでは筆者の場合それをどうしているかを書いてみます。
週間予報、そしてメッシュ予報
さて世間の労働環境は厳しさを増す一方で、貧乏サラリーマンの余暇環境は風前の灯火(ともしび)状態だったりもする訳ですが、それでも週に一度くらいは休日の可能性がやってきます。それが新緑や花の季節であれば 「さて撮りに行くか」 となる訳です。
…が、天候ばかりは個人の意思や努力ではどうにもなりません。花暦のベストの時期に雨にぶつかってしまうこともあります。こういう場合、あっさりと諦めてしまうのもひとつの選択ですが、事前に準備をして出撃方面を少し変えたり、敢えて強行突破をして雨天ならではの情景を狙うのもアリだと筆者は思います。
そのためには天気予報をうまく活用してギリギリまで状況を見極める細(ささ)やかな努力?が必要です。週末状況は週間天気予報で大雑把に確認しておき、直前24時間くらいはメッシュ予報で状況をみていくことになります。どうしようもない土砂降りとか台風の襲来でもない限り、ある程度の出撃可能性は常にあります。
メッシュ予報は民間の気象会社で独自に細かいものを発表しているところもありますが、気象庁のメッシュ予報(5kmメッシュ)でほぼ用が足ります。筆者はあまり特定のピンポイントにこだわらず、雨や雲の粗密具合を見るようにしています。また平野部が曇りの場合、山岳部には雨マークが付いていることが多いですが、実はこれはあまりアテになりません。山岳部の雨とは、霧雨=雲の中という状況のことも多く、雲の上に出てしまえば雲海を見下ろすことができるからです。
これ↑は天候が悪かったにも関わらず出撃して霧降高原に登った時の様子です。雲海の下は小雨+曇天=灰色の世界でしたが、もし諦めてしまっていたらこの景色は見られませんでした。風景の神様は諦めない人に微笑んでくれるという好例のように思います。
では強行出撃する際の最終判断の決め手はなにかというと、筆者の場合は衛星写真から見る雲の像の濃さ具合から判断しています。あまり濃い雲だと敬遠してしまいますが、薄い雲なら突撃することが多いです。もちろん当たるか外れるかは自己責任ですけれども(^^;)
ところでこれ↑は高知大学気象情報頁で公開している気象衛星ひまわりの画像を直リンクしているものです(1時間毎に更新されています)。ここは個人サイトに画像の利用を許可してくれている太っ腹なところで、他にもいろいろ有益な情報を発信されているので興味のある方は是非とも訪れてみて下さい。筆者は出発直前の判断をこのデータでしています。
行先を変えるという判断も
高さで雲を突破できない場合は、行先を小変更するというのも一手です。遠征する場合は特にそうで、宿の手配を済ませた後に天候の巡り会わせが怪しくなったりすると、遠大な風景を撮りたくても叶わない場合があります。そんなときは天を恨んでも仕方がないので、さっぱりと気分を切り替えて撮れるものを撮ったほうが健康的です。
だいたい天候というのはあれこれ悩んでも仕方のない事象の筆頭なのですよ。世の中で悩む価値のあるのは、自分が努力をして結果を変えられることだけです。悩んだり考え込んだりしたところで結果が変わらないことに対しては、粛々と 「対応」 すればよいだけのこと。与えられた時間と空間と、そして予算を無駄にしないよう、最大限 「第二志望」 の成果を充実させましょう。
ではどんなテーマが雨の日に相応しいかというと、近景主体に雨の抒情のようなものを撮るのが良いと思います。名所旧跡でも良いし、雨に濡れる草木も良し。せっかくの雨です。水の情景をうまく生かしたいものです。
さて上の作例↑は京都を訪れたときに雨に降られてしまい、当初予定していた保津峡方面から鴨川沿いの下賀茂神社に行先を変えて、雨に濡れる桜を撮ってみたものです。当初は 「残念でしたメニュー」 みたいな気分でいたのですが、後から見直してみると "桜の季節に雨の境内を撮る" というのは実は貴重なシチュエーションだったな…と思うようになりました。今ではいい思い出のヒトコマです。