写真紀行のすゝめ:お出かけとか
撮影旅行での宿選び
今回は遠征時の宿の選び方についてです。これまた人によって流儀がいろいろありますけれど、筆者的にはどうしているのか…という視点で書いてみます。
パッケージツアーと自前手配
さて撮影旅行での宿を探したいとき、旅慣れない方が真っ先に悩むのが
① 移動費用込みで旅行会社のパッケージツアーを利用する
② 自前で宿を取り、交通機関の手配も自前
の選択ではないでしょうか。WEB検索で宿を探そうとすると上位に出てくるのは大抵旅行会社のツアーサイトですし、旅行雑誌もその手の広告で溢れています。ゆえに 「旅に出る=パックツアーを選ぶ」 という印象をもっている人は実は結構多いように思います。
これらのツアー商品はとにかくお任せのセットで宿泊客は何も悩む必要がありません。旅行会社のリサーチ能力はなかなか侮れないところがあって、看板メニューに登場する宿はそれなりに名の通ったリゾートホテル等から人気の物件をPUSHしてきます。宿泊施設のグレードとしては申し分ないレベルで、普段から別荘や高級リゾートを渡り歩いて目の肥えているセレブな人でもなければそうそう不満は持たないでしょう。そして実際、パックツアー商品はよく売れています。(※国内市場規模はなんと10兆円近い)
ところで旅行会社の多くは "統計的に人気の高いボリュームゾーン" を狙って企画を打ちますので、ツアー内容(宿泊地、到着時間帯、宿のクラスなど)も当然その客層に合わせてきます。具体的にはお金のある中高年、中でも定年退職直後の時間に余裕のあるシニア世代が主要ターゲットです。次いで多いのが夏休み/冬休みなどにあわせた家族旅行で、そこに遊び好きのOL層が続き、一方でお金のない学生層や独身男性はあまり相手にされていません(笑)
…で、こういう客層に合わせて企画されたツアーは、往々にして撮影旅行のニーズとは合致しないのです。深夜到着、早朝出発の "実質寝るだけ" の宿に、展望レストランだのプールだのパターゴルフだのフィットネスクラブは要らないだろう……という当然のツッコミどころも出てきます。
その点、自前手配は多少の手間(予約の手間より交通手段も含めたスケジュール検討が主)はかかりますが、選択肢がピンからキリまで膨大で、定番パックの金太郎飴ツアーに縛られない自由さがあります。そして実際、撮影旅行に使う宿はこういう自前手配のほうが使い勝手が良いことが多いのです。
国内の旅行予約の半分近くは直接予約
さて宿というのは旅行会社や予約サイトの紹介してくれるものが全てではありません。あれは仲介料を支払う契約を結んだ提携ホテルだけがリストに載っているもので、世の中には実際にはもっと膨大な選択肢があります。その多くは安価で、立地場所も観光地の中心部だけとは限らず津々浦々に散らばっています。行きたい場所に合わせてこういう宿をうまく選択するのが、賢い貧乏人(…でなくても別に良いのですが ^^;)の知恵といえます。
ちなみに自前で手配をしている人が世の中にどのくらいいるかといいますと、日本交通公社の統計(右図)ではビジネス客を除いた個人旅行者の実に46%を占めています。内訳は電話予約が35%、WEB予約が11%だそうで、ネット全盛と言われる現在でも意外と電話が主流です。おそらく細かな条件やローカル情報などを直接聞いたりしているのでしょう。
筆者も直接予約をして出かけるスタイルが主流です。狙った時間帯に狙った撮影場所にたどり着くのが最優先で、宿はそのための拠点として必要十分な距離感のところに確保できれば何でもよく、条件の合う安い宿を探しています。また移動手段として一番安上がりなのは自家用車ですから、自分で運転して現地に行き、自分で手配した安宿に宿泊するとコストパフォーマンスも最強になります。ツーリング好きの人ならまさに Good Choice といえましょう。
自前予約にはもうひとつ、旅行日直前でも選択肢があるという素晴らしい側面があります。筆者のような底辺サラリーマンは会社の都合で休日が吹っ飛ぶこともザラにありますから(笑)、毎度毎度何週間も前から日程をフィックスしてパッケージツアーを予約しておくのは難しい面があります。思い立ったときにサッ…と予約を入れて週末に Hit&Away できるくらいのフットワークの軽さが必要で、しかしそういうニーズには旅行会社はなかなか応えてはくれません (※これは早期予約を条件とした割引込みなのである程度は仕方がありませんが)。…だから結局、自分で宿を探すことになるわけです。
宿はどこにある?
さてその宿探しですが、昔はホテル一覧の書籍などが出版されていましたけれども今どき書籍で検索するのはナンセンスとなりつつあります。かといって旅行会社経由では提携宿しか紹介されず、通常のWEB検索では宣伝サイトやゴミみたいなアフィリエイトサイトが大量に引っかかって案外手間がかかります。
…そんなときは、地図検索から入るのが手っ取り早いです。たとえば Google Map で目的地の都市名(または最寄駅)と "ビジネスホテル" とか "民宿" の単語を入れて検索すると、地図上に候補がずらりと出ます。Google Map の提携先には日本の地図業界の大手ゼンリンの他、"るるぶ" や "ぐるなび" といった情報サイトも6社ほど加わって、最近では旅行会社で紹介されているホテル一覧から選ぶよりずっと精度も網羅性も高くなってしまいました。かつては業界内の提携関係によって 「紹介する」 「仲介する」 こと自体が経済価値をもっていたのが、地図検索という切り口によって "そこにある宿泊施設は基本的に全部見える" 状態にパラダイムシフトしてしまったのです。
大きな地図で見る
一例として筆者の居住地近傍でビジネスホテルの比較的多い西那須野駅周辺を Google Map で表示してみると、こんな↑感じになります。表示されるホテルの中にはバルーンヘルプの出てこない(=詳細情報の登録されていない)物件もありますが、ホテルのWEBサイトが存在すればそこにリンクが張られています。
ところで、そもそも宿ってどんな種類があるの?
では宿といってもどんな種類が…ということになるのですが、これを全部網羅しようとするとそれこそ本が一冊出来上がってしまいますし、そもそもここで一般的なことを書いても専門のサイトに情報量では叶いません。そこであくまでも個人の感想/体験談レベルの話として、以下のようなものを順次書いてみようと思います。(あまりこのページに突っ込みすぎると他の記事とのバランスも良くないので ^^;)
1) 車中泊 (それは宿とは言わねーだろー…というツッコミは置いておいてw)
2) ビジネスホテル
3) 民宿
4) リゾートホテル
5) 和風の温泉旅館
…そんな訳で、以後、順次続きます~