写真紀行のすゝめ:お出かけとか
車中泊ってどうよ
今回は車中泊について書いてみます。
最低限の宿泊環境
さて撮影旅行において宿に求められる機能というのは、実はそれほどゴージャスなものではありません。最低限、睡眠が取れてバッテリーの充電が出来れば良い訳で、あとはすべてオマケのようなものだからです。それの、もの凄~く極端な例が車中泊です。 宿など要らん、クルマの中で寝てしまえ!…という選択ですね。
ただ筆者の場合は車中泊はあくまでも臨時の手段として捉えています。最近は貧乏旅行がブームで車中泊をメインに旅をしている人もよく見かけますが、道の駅などでバーベキューをしたり大量のゴミを捨てっぱなしにしたり公衆トイレで炊事洗濯をしてみたり…という猛者も居て、実のところ観光地での評判はあまり芳しくありません。生活ゴミを極力出さない仮眠レベルで済ませるのがスマートなやり方だろうと思っています(^^;)
車中泊をする場合は、後部シートを倒して荷台スペースを広げられる車種では、荷台側に寝ることになります。筆者の愛車 X-Trailは荷台側に長さ180cmのフラットスペースが作れますのでタオルケット等を敷いておけば簡易寝台が作れます。前部座席をリクライニングして寝るのもアリですが、寝相の悪い人は無意識のうちにアクセルペダルを踏み込んだりしないよう、助手席とか後部座席に移りましょう。
クルマはやたらな場所に止めない
さて車中泊ではクルマを停める場所に気を使わなければなりません。一般道での路上駐車などは極力避けるべきです。日が昇ると交通状態がどうなるか分かりませんし、気が付いたら渋滞の元凶になっていた…なんてことにもなりかねません。停め方によっては追突される危険性もあります。
店舗(コンビニなど)の駐車場も長時間の占有は避けたほうが賢明です。また一見、空き地のように見える草地なども個人所有地だったりしますので見つかると注意を受ける可能性があります。
ではどうすれば良いかと言うと、平地では道の駅やドライブイン、高速道路のサービスエリアなど、公共の駐車スペースのあるところが無難です。公園の駐車場なども一見良さそうに見えますが、土地柄によっては夜間に柄の悪いヤンキー兄ちゃんや変質者、妖しい外国人の溜まり場になったりすることもあり、治安面で心配があります。筆者は長距離移動の場合は高速道路のSAでよく車中泊をします。夜間でも照明が付いていますし、防犯カメラもあり、外部からの進入も制限されているのでそれなりに安心感があります。(さらに言えばトイレと自販機もあるので便利 ^^;)
山間地だとチェーン着脱場や展望台駐車場等が有力な駐車先になり得ますが、路面にドリフト走行の跡が多数付いている場合は場所を変えたほうが賢明です。そういう場所は暗くなると珍走車両が出没して暴走行為を繰り返すところで、とても安眠できるような場所ではありません。ヤンキーを避けるには未舗装の道路(車高の低いDQN車が入ってこない)に入るのが簡便で、四駆なら河原に降りてしまうのも良いでしょう。
海辺だと港湾施設の近くでは警察官や機動隊に職務質問をされる体験談を良く聞きます。筆者は残念?ながらそういう体験が無いのですが、それは夜間移動+明け方現地で仮眠(2~3時間くらい)式の行動パターンが多いからかもしれません。
ガソリンとエアコン
ところで寝る前には、必ずクルマのガソリンを満タンにしておきましょう。気候のよい春や秋ならそれほど寝苦しさは感じませんが、夏場や真冬はエアコン無しではとてもじゃありませんが寝られません。無理にエアコンなしで過ごしても疲れは取れませんし、人が乗った状態の車内はエアコンなしだと明け方の結露がスゴイ状態になります。
ちなみに夏場に一晩中エアコンをかけっぱなしでアイドリングすると、筆者の愛車 X-Trail では大雑把に10~15Lのガソリンを消費します。これは満タン(60L)状態の2~3割にあたり、ガソリンスタンドのある高速のPA/SAなどで寝るなら給油もラクですが、深い山間部などでは翌日のアタック日程と給油ポイントを考えて計画を立てないとタンク残量にヒヤヒヤすることになるかもしれません。
給油は意識的に早めに行った方が良いです。特に田舎の山間部ではガソリンスタンドの夜間営業はまず期待できませんし、早朝営業もありません。都市部に住んでいるとなかなか気が付きませんけど、地域によるインフラの格差は大きいです。
それで筆者はといいますと、クルマの荷台に20Lのガソリン携行缶(※)を積んで備えています。東日本大震災のときに給油難民になった経験から常備するようになったものですが、この予備のおかげで現在ではほぼヒヤヒヤ感はありません。なかなか便利なものです。
※携行缶に給油する際にはガソリンスタンドの職員氏に依頼する必要があります。携行缶からクルマに給油する際には特別な資格は必要ありません。
風呂と食事は早めに
車中泊では入浴が出来ないので、近場の温泉の共同浴場などをリストアップしておいて適当なタイミングで入ります。地図で見ると "銭湯" というのは意外に少なく、見つかるのは圧倒的に "温泉" です。
日本では国土にほぼ満遍なく温泉地が散らばっていて、よほど深い山岳地でもないかぎり半径20km圏内(→クルマで30分程度)に温泉が無い地域というのはほとんどありません。車中泊の旅では、こういうところをうまく渡りながら行きます。ただ暗くなると共同浴場はすぐ閉まり、旅館の日帰り入浴も夕方からは宿泊客優先になって外来客は締め出されます。一風呂浴びておくのは早い時間帯のほうが良いと思います。
食事についても同じで、最近は幹線道路沿いに深夜まで営業しているファミレスや牛丼チェーンなどが増えましたが、ちょっと郊外に行くと意外なほど外食店の閉店は早いです。最近は高速道路のSAも売店を閉鎖して自販機のみのところが増えて、世の中は総じて貧困化一直線の様子。「コンビニ飯が贅沢」 に思えるなんてなにか間違ってるんじゃないかという気もしますが(笑)、首都圏から離れると珍しい風景ではないので心しておきましょう。