2006.05.14 塩原(その2)




■塩原渓谷




さて渓谷をゆるゆると登っていく。若干気温が低い塩原渓谷でも、ツツジはちょうど見頃となっていた。




ツツジの季節はナンだカンだと2か月ほども続いていく。GWの喧騒が去った後でこういうところをクルマで流すのは実に静かでよい。




カエデの新緑もいい感じになっていた。




こんないい季節なのに、連休が明けると観光客はガクンと減ってしまうのだから勿体ない。




こちらは福渡付近。紅葉の綺麗なところだが新緑もなかなか捨てがたいな。



 

■トンネルの向こう側、上三依




さて温泉街はスルーして、尾頭トンネルを抜けていく。写真をみるともの凄いスピードで疾走しているようにみえるが、単なるスローシャッターの流し撮りである(爆)




そして……おお、トンネルを抜けるとそこはまだ早春だったヽ(´ー`)ノ
芽吹きの色も 「超萌え」 で、山肌には桜が咲いている。




見れば山の上のほうはまだ木々の芽が出ていない。やはり山のこちら側では1ヶ月ほど季節の巡りは遅いようだ。




そして会津鬼怒川線の上三依塩原駅。ピークはやや過ぎているようだが桜はまだ咲いていた。




開花の時期はいつだったか駅員氏に聞いてみると 「ここの桜は遅いんですよ」 と笑いながら、日記帳を広げて見せてくれた。

一人で駅舎に詰めている駅員氏はコツコツと日記をつけていて、ちゃんと開花日や満開の時期を記録に残していた。それによると、例年の平均開花日は4/29頃で、今年はそれより4〜5日遅く、開花は5/2、満開が5/5だったという。




駅舎の自販機で買った缶コーヒーを味わいながら、駅前のささやかなロータリーで静かな時間を過ごしてみた。遠くに鳥の声がかすかに聞こえるのみの、何もない景色である。




駅前の橋からみえる男鹿川は、こんな風景であった。首都圏で "駅前" といえば商店街と飲み屋とパチンコ店がセットになっているような感があるけれども、ここにはそんなものは無い。あるのは、桜の木と、渓流と、数件の民家のみ。周囲はすべからく、山である。

…こういうところで、1時間に1本のダイヤを正確に捌(さば)きながら、しかし単調な繰り返しの中で日々が過ぎていく。自然の移ろいを残した日記がそんな環境で書き綴られているというのは、なんとも詩的な光景であるような気がした。




・・・山を降りてくると、日没の頃になって雲が晴れた。もうあと6時間ほど早く晴れてくれれば色々な景色が鮮やかに撮れたはずなのだが…まあ、贅沢は言うまい。




さてこれで本日までの2006年那須ローカルな桜前線の記録は、こんな感じになった。 あとは茶臼方面(正確には南月山)のミネザクラを確認できれば完成だな。うむ。


<完>