2008.06.07 湯西川温泉:平家大祭 (その1)




湯西川温泉の平家大祭を見てまいりましたヽ(´ー`)ノ



 湯西川温泉で毎年6月の初旬に行われている平家大祭だが、曜日の重なりが悪く実はいままで一度も見たことがなかった。今年は6/5〜6/7の3日間のうち最後の1日だけが土曜日にかかったので、休日がてら訪れてみることにした。最終日=3日目は九十九姫行列のイベントがある。これをゆっくり眺めてみよう。




湯西川については本サイトでも何度も取り上げているが、どれほど山奥であるかをうまく伝えるには俯瞰図↑を見ていただくのが手っ取り早いだろう。まさに陸の孤島とでもいうべき立地である。

ただ、ここも数年後には現在建設中の湯西川ダムによって "湖畔の集落" に変貌してしまう予定で、いまのような形で落人の里の雰囲気がいつまで保たれるかはわからない。




さてそれはともかく出かけてみる。那須塩原市側から向かうと塩原温泉を経由して会津西街道をくだり、さらに湯西川に沿って遡ることになる。1週間ほども続いた雨のせいか、途中の五十里湖では水位が上がって湖畔の樹木が水没していた。




五十里湖から湯西川沿いを進み、まもなく旧栗山村湯西川地区に到着。既に合併して日光市の版図に組み込まれてしまったが、横断幕は栗山村仕様のままのようだ(^^;)

湯西川はもともと狭い立地の里なので、中心部にはクルマを停める余地はほとんどない。一般の観光客は温泉街からやや離れた中学校のグラウンドを駐車場にして数百mほど歩くことになる。




道端にはアヤメが咲いていたりして、気分はすっかり初夏といったところだ。遠くでは気の早いセミが鳴いており、山里の雰囲気が漂っていた。




祭りの期間中ということで観光客がぞろぞろと歩いている。ここは川沿いの細長い集落を貫くr249がほぼ唯一のメインストリートで、主要な商店街/旅館などはみなこの道路に面している。九十九姫行列は湯殿山神社から出発して赤間神宮(平家の里)まで1kmほどを歩く予定だ。

今回は余裕を持って早めに出てきたのだが…どうやら余裕を持ちすぎて予定より2時間ほども早く到着してしまったらしい(^^;) しばし周辺を散策して時間を潰すことにしよう。



それにしても水の透明度が素晴らしい。木々の緑もまだ幾分新緑の面持ちを残していて、深山の風情が感じられた。

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集落の中心付近にある慈光寺脇の橋下には、岩盤の窪みを湯船にした天然の岩風呂がある。衝立(ついたて)も何もないフルオープンの無料温泉で、無論、混浴である。本来、温泉とはこういうものだ。



岩風呂に下りてみると、藤の花がイイカンジで咲いていた。ほんとうに、出来すぎのような風景だなぁヽ(´ー`)ノ

湯温に手を入れてみると、風呂にするにはちょうどよい湯加減だった。さすがに観光客が多いこの日に入るほどのチャレンジ精神は無いけれど…w




地元在住らしい婆さんに "どのあたりから見ると良さそうですかねぇ?" 尋ねると、r249の橋の上が一番良いとの情報を頂いた。そんなわけで橋の上に陣取ることにする。既に先客は集まりだしているので、これ以上は動きまわらずに待つのが正しいだろう。




ちなみに "九十九姫" とは、壇ノ浦で平家が滅亡した後、建礼門院(平徳子=安徳天皇の母)が寂光院に入るときに付き従った平家の女房が99人いたとの伝承から出たものらしい。九十九姫の読み方は、最初は "つくもひめ" かと思ったが、現地では "きゅうじゅうきゅうひめ" と呼んでいる。




さて湯殿神社をAM10:30頃出発した筈の行列は、1時間ほどもかけてゆるゆると本家伴久十二単館の前に現れた。距離的には1kmほどだが、途中で舞を披露したりいろいろなサービスイベントをこなしながらなので時間がかかるらしい。




神社の宮司さんを先頭に、九十九姫行列が静々と歩いてくる。なるほど、こうして見ると教えてもらったこの撮影場所はベストアングルといえる。情報をくれた婆さんに感謝しておこうヽ(´ー`)ノ




宮司、巫女さんに続いて、建礼門院(伴久旅館の女将らしい)、琵琶奏女(プロのミュージシャン=
櫻井亜木子氏らしい)、そして平家直系の子孫である伴氏のお歴々が続く。




それに続いて九十九姫。一般参加者も衣装を借りて参加できるのだが、今回は応募が多くてメンバーを絞りきれず、結局110人以上の大行列になってしまったと聞いた(^^;)




全員そろったところで、川面にて神事が行われた。




神事といっても、清めのお払いをして鎮魂のための献花を湯西川に流すというシンプルなものだ。




ささやかな菊の花が静かにながれていく…




ここで舞の奉納。さすがに臨時参加の方は踊らず、先頭集団の7〜8名の踊り子によるものだ。



カメラ位置としては良いのだけれど、300mmでもちょっと遠くてこの程度までしか寄れない。奮発して500mmくらいの巨玉でもあれば良いのだけれど…バードウォッチャーでもないのにそんな大層なおもちゃを望むのはちとアレかな(^^;)

<つづく>