2008.07.13 沼原湿原のニッコウキスゲ (その2)







本道に戻って美人度の高そうなキスゲを撮ってあるく。

行動制約の大きい木道からの撮影では、自由度をあげてくれる11倍ズームが非常にありがたい。以前なら300mmに換装していたものが本当にレンズ1本で間に合ってしまう。テレ端、ワイド端とも画質はそれなりのレベルで、不自由は特に感じない。やっぱり便利だなぁ…コレ(^^;)

※スペック厨の一家言ありそうな人が語ればいろいろツッコミどころもあるのだろうけれど、筆者は別に解像力チャートを撮っている訳ではないので気にしない ヽ(´ー`)ノ



こちらは枯木立のアップ。明るい空が入っても白トビがほとんど無いので、安心して空を入れた絵が撮れる。とりあえずこれだけでもD300に乗り換えた価値がありそうだなぁ。筆者はD70sからの乗り換えなので途中のモデル=D40/50/60の実力のほどはわからないけれど、たしかに進化はしているらしい。




足元の水底にはクロサンショウウオの幼生が散見された。観光客の皆様は 「イモリだ」 「ヤモリだ」 と指差しているのだけれど、なぜか正解する人はほとんどいない(^^;)。 毎度毎度のことだけに今さら驚きはしないが、誰にもサンショウウオだと認識されていない悲劇の天然記念物なのだ、彼らは…w


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せっかくの湿原なので地糖の写真も撮ってみる。梅雨どきだけあって水量も豊富で湿原らしい景観だ。沼原の地糖はもともと川の一部として発達したもので、南北に細長いものが点在している。往時の南側も含めた全体像がどうなっていたのか今では知る由もないが、どこかに記録が残っていたりはしないのだろうか。




こちらは草原化の進んだ西側エリア。ニッコウキスゲの群生はそれほど濃くない。




今回、キスゲに数では劣るものの意外な存在感を示していたのがアヤメである。いつもならキスゲが満開になる頃にはピークを終えてしまうのだけれど、今回は割と健在な株が多かった。栄養過剰な栽培物と違って、環境の厳しい湿原で咲くアヤメは花も小ぶりで慎ましやかな姿をしている。



木道からだとアングルも限られてしまうけれど、とりあえず記録には残しておこう。筆者的には今年はアヤメのプチ当たり年と判定しておきたいw




さて今回はレンズの評価も兼ねているのでテレ端、ワイド端のサンプルも乗せておこう。これがワイド端 18mm (35mm判換算で27mm相当)の画像。




テレ端 200mm (35mm判換算で300mm相当) ではこんな感じ。山まではおよそ4.5kmで、空気層が厚いため多少のモヤット感があるがそれはレンズのせいではない。

明るさもワイド端開放 F3.5 と、このズーム域のレンズとしては明るい。…というか、おなじニコンの AF-S 18-70mm と同じというのが何とも…(^^;) まあ設計屋さんが頑張ったというところだろうか。




木道を北進すると、ちょうど見ごろのニッコウキスゲが群生していた。




垂乳根株(^^;)が多いのでアップではなく群としてみるべきシーンだけれど、雰囲気としては悪くない。




霧降高原ほどの派手さはないけれど、まあイイカンジの咲き方といえるんじゃないかな。




北の端まで行って、戻りはカラマツ林を経由することにした。昔の街道跡の道筋である。




木漏れ日が当たっている若枝を撮ってみた。D70sではおそらく飛んでしまうであろう幹のハイライトだが、オートできちんと捉えられている。もっとハードな場面でもいわゆるブラケット撮影で 「数撃ちゃ式」 にガンガン撮る必要はなさそうな気がしてきた。



明るい空と木道の木漏れ日、逆光の木々…といういやらしい?状況でのテスト。さすがに背景の空は白トビしてしまっているけれど、割と頑張ってダイナミックレンジを確保(有効利用と言ったほうがいいのかな)している。高山や夏の海岸など条件の厳しいところでも期待できそうな感触だな。




そんなわけで、デビュー戦としてはそれなりの感触を得て午前中のうちに撤退。この後急速に雲が出てきたのでタイミングとしても良かった。新しき戦友(とも)には次回以降の活躍を期待しようヽ(´ー`)ノ

<完>




■おまけ




撤退途上、子連れの猿に遭遇した。板室〜山麓道路付近は猿の群れがウロチョロしていて毎度のように姿を見かける。近づくと逃げてしまうので望遠で撮るしかないのだが、標準ズームが11倍もあると換装の手間なくカメラを向けることができる。

実は筆者は高倍率ズームにはどちらかというと否定的な見解をもっていたのだけれど、携帯性と取り回しの利便性を考えると 「これもアリかなぁ」 などと思うようになったヽ(´ー`)ノ 単焦点レンズと比較してはいけない。携帯性と収差スペックのバランス具合を感覚的に許容できるかという、そのあたりの話だ。




クルマのフロントガラス越し+被写体が動き回るので多少ブレ気味ではあるけれど…まあネタ写真として使うぶんには許容範囲かな。それにしても、猿も小さいうちは可愛いものだなぁ…w

<おしまい>