2014.04.05 宇都宮以北の桜を眺める(その1)




栃木県の県央〜県北の桜状況を眺めてまいりました (´・ω・`)ノ



3月後半から急速に暖かくなってきたような感があったのだが、ニュースによると宇都宮の桜がもう満開らしい。そこで宇都宮市から那須塩原市にかけて、メジャーな公園をハシゴしながら花見ツアーをしてみることにた。高速道路でいったん宇都宮まで南下し、ゆるゆるとシタミチをドライブしながら那須塩原市まで戻ってくるという往復100kmのコースである。




さてこの日、前日が雨模様だったので週末はどうなることかと思ったのだが、当日は朝からからりと晴れ上がって上々の天気であった。こういう日は遠出をするに限る♪ …ということで、さっそく東北自動車道に乗って南下してみた。

…のだが、気がつけばもう消費税が8%になって高速料金も値上げではないかーーーっ、うおおぉぉぉっ、なんてこったいガッデム神様仏様っヽ(`◇´)ノ



 

■ 八幡山公園




さて気を取り直して、最初に目指したのは宇都宮市の八幡山公園である。

那須塩原市の住民なのに何故に宇都宮から? …とツッコミが入りそうなチョイスだが、実は大した意味は無い。人口の多い都市に午後になってノコノコ出かけていくのは渋滞にハマリに行くようなものなので、午前中の早いうちに消化してしまおうというくらいの意味合いである。

…で、山に行くわけではないので午前8時過ぎにゆるゆると自宅を出発し、安直に高速道路で宇都宮にショートカットを試みたのだが…現地入りすると既に市内は行楽客でごった返していて、当初の目論見は脆くも崩れ去った(笑) うーむ、世間の花見行楽、恐るべし…( ̄▽ ̄;)




八幡山公園は、宇都宮市のなかでもメジャーな花見スポットである。ここは宇都宮市の中心付近にある丘陵部がそのまま公園として整備されたところで、二荒山神社、および宇都宮城址のちょうど真北に位置している。ゆるやかな丘陵の連なりは断続しながら日光連山まで続いていて、さながら日光の山々から延びる尻尾の先端がここまで達しているような地形になっている。

八幡山の名は江戸時代に宇都宮城の北の守りとして塙田八幡宮が建てられたことに由来するのだが、現在では神社仏閣の由緒よりも競輪場のある山(何故か山の上に競輪場が造られている)としての知名度のほうが圧倒的に高く、戦時中日本軍の地下秘密基地があったことも既に忘れ去られていて、公営ギャンブルをやらない層には 「宇都宮タワーのある山」 というのが平均的にピンとくるイメージだろう。




公園は北辺が競輪場、南辺が神社仏閣、東側の分離丘陵が子供施設、そして中央に電波塔である宇都宮タワーがあり、桜はこのタワー周辺に植えられている。神社仏閣は祥雲寺、東妙寺、須賀神社、星宮神社、塙田八幡宮が主要なもので、公園の構造上は塙田八幡宮がもっとも中心的な位置を占めている。…が、とりあえず桜を眺めるだけなら宇都宮タワーの位置だけ知っていれば用は足りるだろう。




さて超絶混雑の中でようやくクルマを止めて登ってみると、周囲はとにかく、人、人、人であった。桜のほうはニュースのとおりに満開で、あまり散った花びらがないところを見ると咲いたばかりの若い花が多いらしい。昨日降った雨でも花はほとんど落とされておらず、本日は素晴らしい花見日和となっていた。



八幡山の最高地点には、ランドマークである電波塔(宇都宮タワー)が建っている。高さは約90mあり、山自体が標高150mほどなので、電波塔としては240m級の高さで中継放送を行っている勘定になる。デザインがかなり露骨に東京タワーのパ○リっぽいので地元民からはやや微妙なステータス(^^;)で見られがちではあるけれども、展望台の眺めはすこぶる良い。



ということで、筆者も久方ぶりに登ってみた。…おお、さすがに見晴らしがいい♪ ヽ(´ー`)ノ 

これは西方面の風景である。遠景には男体山が青くみえている。手前の緑色の山は古賀志山といって宇都宮市と日光市の境界だ。八幡山から古賀志山までは直線距離で12kmあり、この距離感で山肌が青く霞んでいないということは春先としては珍しく空気が澄んでいる証(あかし)ともいえる。やはり雨が降ると空気は綺麗になるらしい。

そして手前には、八幡山の山頂付近に整備された桜の杜がある。本当はもっと手前までずらっと並んでいるのだが、花見客の敷いているブルーシートが多いので、ここでは意図的にフレームアウトさせている(笑)




こちらは南側の県庁方面。やはり桜具合はなかなかによろしい。夜にはライトアップもあるそうで、宵の頃に訪れればまだ違った風情がみられることだろう。

上から見ていると、やはりまだ朝のうちだというのにブルーシートを抱えて宴会の場所取りに来ている人が結構居る。親睦会で貧乏くじを引かされた人とか、新入社員の中の人とか、新年度に入ったとたんに色々なドラマが展開していそうな気がするけれども、暇そうにシートの上で時間を潰している姿をみると 「…おつかれさま」 と労(ねぎら)ってあげたい気分になってくるな(^^;) 




ひととおり遠景を堪能した後は、地上に降りて人の目線の高さで桜を堪能してみた。園内にはテキヤがいくつも並んでいて、春のうららの桜日和を演出している。ほのかに漂う焦げたソースの匂いは、もはや春の風物詩みたいなものだろう。ちなみに売れ筋は、お好み焼きと大判焼きらしかった(^^;)




さて枝先をアップでみると、桜は本当に満開モードになっている。花はシャッキリしていて、くたびれた感じはしない。写真を撮るなら、まさに今といったところだろう。




こちらはソメイヨシノとは違う種類の桜である。説明が何も無いので正確な名称は不明なのだが、エドヒガンの亜種(コヒガンとか?)っぽい感じがする。このくらい赤が入っているとデジカメで色を飛ばすことなく撮影できるので、実はカメラ写りがいい。ソメイヨシノの "桜色" はきわめて白に近いピンクなので、ちょっと露出を間違えるとすぐに白飛びしてしまうのだ。




…などとすっかりお楽しみモードになってしまったが、本日は花見スポットを幾つもハシゴする予定なので、そいろろ次のスポットに向かわねばならない。気分的には後ろ髪を引かれるところだが、次のスポットを目指していくことにしよう。…というか、駐車場が遠いぞ(笑)



 

■ 鬼怒グリーンパーク




…ということで、ようやく混雑エリアを脱出した。休日の昼間に国道4号線(R4)に抜けて 「おお空いている」 なんて感じるのはちょっと違和感があるのだが(笑)、それだけ桜スポットが混雑していたということなのだろう。




さて八幡山を後にして、国道4号線(R4)を北上し鬼怒川を越えると鬼怒グリーンパークに至る。ここが本日二番目のチェックポイントである。

ここは鬼怒川の河川敷を利用した非常に細長い公園で、途中にゴルフ場を挟んで北側と南側、対岸側と3箇所に分かれて分散している。今回訪れたのは一番南側のエリアである。理由は…単に幹線であるR4から近いから(ぉぃ)。




さて宇都宮市内は混雑していたけれども、高根沢町の領域に入ると交通量はグっと減る。行楽日和ではあっても、この付近では出かける人はまだそれほど多くないらしい。




公園の南側(公式サイトでは高根沢エリアと称している)の概況はこんな感じである。スポーツエリアと散策コースがミックスされたような構成になっていて、他の2箇所とあわせると総面積は30ヘクタール以上ある。宇都宮圏ではおそらく一番大きな公園だろうと思う。




とはいえ本日の人口密度はこんな感じで、ほとんどプライベート空間みたいなものであった。花見が目的の人は宇都宮以南のスポットに行ってしまって、本日はここをスルーしているのかもしれないが、まあお陰でのんびりと散策できると思うことにしよう(^^;)




さて桜はどこだろう…と目を見やれば、おお、ゴルフ場との境界付近にいくらか植えてある。公園の規模の割には少ないような印象だが、この公園の最大のウリは秋のコスモスだそうだから、桜はオマケみたいなものなのかな。




河川敷に降りると遠景の山々と堤防がイイカンジの早春の趣を醸していた。もう少し暖かくなった頃に新緑と残雪を組み合わせると良い絵が撮れそうな気がする。

河川敷というのは、遠景の山々と相性が良い。堤防は低層の建物や電柱などをうまく隠してくれるから、すっきりとした構図の写真が撮れる。また河川敷には芥子菜などアブラナ系の花が定着することが多く、春になると簡易的なお花畑の様相を呈したりもする。カメラを抱えてウロウロと歩き回り、撮影の練習をするのにはちょうどよい環境だったりするのだ。




肝心の桜の開花は七部咲きといったところであった。さきほど公園の規模の割には少ないと書いたけれども、近くに寄ればそれなりの樹勢で見事な枝振りの木がある。




花の部分をアップで見るとこんな感じであった。見れば枝先の蕾(つぼみ)は既にこぼれおちそうなほどに膨らんでいて、この晴天であれば午後には一斉に咲いてしまうかもしれない。八幡山より若干開花が遅いのは、桜前線がちょうど今このあたりを北上しているからだろう。




桜前線というのは決してカッチリとした線状の境界線が進んでいく訳ではなく、じわじわと水が染み渡るように進んでいく。その染み幅は、おそらく数十kmほどもあって曖昧模糊としている。そして筆者は今、その中にいるという訳だ。



もう少し奥まで歩き、花具合の比較的良さそうなところで遠景に男体山を入れて撮ってみた。まだ幾分花のボリュームが不足気味だが、これで満開になったら実にいい絵になりそうだ。




桜を除いた遠景は、こんな状況である。遠くで菜の花がちょこちょこ咲き始めている。あれが満開になったら素晴らしい景観になりそうだが…はて、残雪と桜と…うまく重なるかな。いずれにしても狙いどころは来週だろうけれども。




…そんなことを思いながら、ここで貧乏人の心の友、缶コーヒー@\100(増税後なのに良心価格)でゆったりと休憩してみた。やはり缶コーヒーは、まだ熱いのに限るぜよ♪

※BOSS缶はもう少しシックなデザインの方が好みなのだが、目新しいのでつい自販機のボタンを押してしまう。エメラルドマウンテンとレインボーマウンテンの違いっていったい何だ? …とか考え始めると思考が止まらなくなりそうなので、そのへんは適当に四捨五入である(ぉぃ)




…ということで、一服したらさらに北上してみよう。まだまだ先は長い。

<つづく>