■2005.10.16 那須山頂:雲中散歩 (その2)







眼下の湯元温泉〜那須GCがよくみえる。画面右奥のあたりが那須御用邸のあるあたりだが、ここからはちょっと判別できない。




ガンコウランに混じってコメススキの野が広がる。先日来たときはまだ随分黄色味が残っていたが、わずか3日で枯葉色に変わっている。明け方の冷え込み具合ひとつで一気に真っ白になってしまうのだろう。




平野側の視界に比べ、峠越えの風が抜ける山側は雲がごうごうと流れていく。この雲は風が山を越えるときに水蒸気が冷やされてできるもので、山を越えて風が斜面を下りだすと消えてしまう。遠くからみるとまるで傘雲のように見えるはずだ。




それにしても、雲もこうなってしまうと写真どころではない(笑)。風も強いのでこれ以上進むのは諦めて、雲が途切れたところで写真をとって引き返すことにした。




しばらく辛抱すると、雲が途切れた。谷間の樹林帯まで視界が通ったところですかさずシャッターを押す。




さらに望遠で谷底をアップで。根性があれば降りて行きたい気もするけれど、家族同伴なので無茶はしないことにした。




そんなわけで、相当に中途半端だけれど撤退開始。




ロープウェイ山頂駅まで戻ってくると、かすかに鬼面山に薄日が射していた。色づきは最高なのだが、流れる低層雲と上層雲からの薄日のタイミングがなかなか合わずになかなか良いシャッターチャンスにめぐり合わない。




これで晴天だったら素晴らしい写真が撮れただろう。高山の紅葉の場合、特定の1箇所の本当の見頃は3〜4日くらいしかもたない。急斜面ではとくにそうで、1日あたり40〜50mの速度で帯状に降りてきて、あっという間に過ぎ去ってしまう。「また来週来ればいい」 という訳にはいかないのである。この場所の紅葉は、もう今年はこれが見納めだろう。




ついでに、ボルケーノハイウェイも望遠で捉えてみた。こうしてみると結構いい場所を縫うようにして走っていることが判る。(クルマの目線ではなかなか判らないものなのだけれどね)

・・・とりあえず、ここで撤退することとした。




山から降りてきて振り替えると、なんと晴れ間がのぞいていた。・・・もしかしてあと1〜2時間粘っていれば最高の紅葉写真が撮れたのだろうか。

・・・といっても、まあ仕方がない。山の天気とは、そういうものなのだから。

<完>