2011.03.11 震災の日 (その2)




■03/13




さて震災後3日目になった。さすがに大津波警報は解除されたものの、いまだに津波警報は続いている。初日には50人くらいだった死亡者は1000人の大台を越え、行方不明者は万のオーダーに乗った。被害規模が明らかになるにつれて、その深刻さの度合いがどんどん増してくる。




しかし政府の対応は原発問題ばかりに集中していていて、相変わらず津波の被害者対策は後回しになっている感が否めない。消防と警察と自衛隊10万人をいっぺんに現場に突っ込んで同じような仕事をさせているのもアレだし、ちゃんと役割分担できているのかな…(´・ω・`)




そう思って総理官邸HPに掲載されていた自衛隊への命令を見てみると↑このようなものであった。「…何をどうするのかもう少し具体的に言ってやれよ」 という気がしないでもないけれど、アホが具体的な指示を出す弊害を考えれば実はこれが最も現実的な解なのかもしれない。入れ知恵をした官僚氏はまさにGoodJob(※)といえる。

※ちなみに米軍の動きをみているとこのとき南西諸島〜沖縄への主要艦艇の展開も同時に行われている。震災につけ込んだ中国による沖縄離島(尖閣など)への侵攻に備えた動きと思われ、もちろん自衛隊もこの対策はしていたと思われるのだが左翼政権である民主党に危機感は微塵も無い。それを考えると、このどうにでも解釈できる命令文を了承させた官僚氏は実はものすごい功労者なのではないかと筆者は思うのであった。




■頑張るとちぎTV




ところで話は変わるが地元ローカルの 「とちぎTV」 が地味ではあるが良い仕事をしている。市町村単位で被害状況、復旧状況をこまめに放送し、情報更新も早いのである。避難所や病院状況、コンビニの営業情報まで放送しており、まさに "おらが地元の放送局" の面目躍如といったところなのだ。

ちなみに画面にちょこっと出ている大田原赤十字病院はこのとき建物が一部倒壊しており、新規の患者を受け入れることが出来なくなっていた。こういう情報は全国区のニュースには乗ってこないので、やはりローカルで配信するしかない。こういう仕事は地元局の出番だ。




このローカル局の有無で地味に不幸な立場に立たされていたのが、実は茨城県民であったらしい。

関東地方で唯一ローカル局を持たない茨城県は、そもそも地元からの情報発信が無いうえに東京キー局が派手な被害の東北沿岸部ばかりをニュースに取り上げるので、結構な被害が出ている割に真空地帯のように忘れ去られている。これはナカナカに可哀想なのである。




■那須塩原市内の状況について




さて外に出てみると、ガソリンは那須周辺ではもうほとんど手に入らない状態になっていた。そもそも元売からガソリンが入荷せず、スタンドが営業していない。行く先々で、入り口にチェーンの張ってあるスタンドに遭遇する。たまに人のいる所があっても 「緊急車両にしか給油できません」 と断られてしまう。これではとても遠出は出来ない。

道路の渋滞もひどい。特に国道4号線はほとんどストップ状態である。昨日と違って上り斜線が猛烈に混んでおり、見ると福島県ナンバーのクルマが多い。どうやら原発の状況が悪化したことで避難して来る人が増えているようだ。

スーパーからは保存のきくカップ麺や缶詰、レトルト食品がほぼ完全に姿を消した。パンや乾麺、パスタも消え、ペットボトルの水も無くなった。入荷しているのは地元企業が納入する精肉や野菜が少々と、腹の足しにならない菓子類ばかりである。電気店やホームセンターでは、ポリタンク(水用、灯油用)、ガソリン携行缶、乾電池、懐中電灯が消えている。皆、一斉に買い込んでいるのである。




ガソリンを探しながら、那須塩原駅周辺をまわってみた。幹線道路から外れた小さなスタンドで、ようやく\2000分=約13Lを給油できたが、それきりである。なんとか職場(熊谷)には戻れそうだが、来週は自宅に来るのは厳しそうだ。

周囲をみると石塀が多く崩れているのが目に付く。古い石塀は単に漆喰やセメントを挟んで石を積み上げているだけなので崩れやすいようだ。…というか、こんな脆い構造だったんだな(´・ω・`)




隣の大田原市では本震で震度6強だったらしいが、おそらくこの付近も似たような揺れだったのだろう。無傷で残った石塀というのはほとんどなく、みなどこかが崩れているといった状況のようだ。




さて、さらに那須塩原駅に向かってみる。ちなみに新幹線も在来線(宇都宮線/東北本線)もまだ止まったままで、運転再開のメドは立っていない。




駅の建物は正面からみると様子が変わらないように見える。




しかし足元はボロボロなのであった。特に橋脚部分のコンクリートに多数の亀裂が入っていて、鉄筋の粘りでかろうじて立っているような状況なのである。コーキング材で固めようとした形跡がみえるけれども、この程度ではたいした補強にはならないだろう。




駅の隣にある法界寺でも石塀が崩れていた。鉄筋などが入っていない古いタイプの塀は、やはり今回の地震で軒並みやられてしまっている。




こちらは瓦屋根が崩れた民家。あちこちで屋根屋さんが修理に上っていた。




墓地の被害も多い。こちらは崩れた墓石である。灯篭なども多く倒れている。

…これ、近所に住んでいるなら直しに来ることもできるだろうけれど、遠くに引っ越してご先祖様の墓だけ残している人はどうなるのだろう。忘れた頃に墓参りにきたらドヒャーなんてことにならなければいいけれどね…(´・ω・`)




さて周辺探索を終えて帰宅してみると、枝野官房長官が 「明日の早朝から輪番停電を行う」 と発表していた。

時刻はもう午後8時過ぎ。発表から10時間後には最初の停電実施? …マジですか?( ̄▽ ̄;)

産業界への根回しはまったく無かったようで、いきなり思いついたように決定されたらしい。しかも3時間ごとに停電と通電が入れ替わり、地区や時間帯はバラバラ。しかも一番電力を食っている東京都23区は除外。さらには地区割りと時間割について政府は関知しません、東京電力のホームページを参照ください、などとやったものだから案の定アクセスが集中して閲覧不能になっている。…というかネット環境のない国民の存在はそもそも忘れ去られている訳ね。

…かくして、関東一都六県の全ての国民にとって、明日の朝からどうするの! という長い夜が始まった。筆者もようやく繋がった東電のサイトから資料をダウンロードし、自分の地区を探してみると……ん?


なんとっ、 一番最初ではないかーっ! ヽ(`◇´)ノ


<つづく>