2011.10.08 那須:姥ヶ平の紅葉(その2)




■牛ヶ首


 
さて日の出平の稜線が見えてきた。もうすぐ牛ヶ首である。


 
道は比較的平坦なので特に苦労することもなく牛ヶ首に到着(´・ω・`)


 
見れば今年も姥ヶ平はイイカンジに染まっている。ロープウェー山麓駅付近が見頃になるとここはもう終わり…というのが例年の感覚だが、今年はあっちもこっちも真っ赤なのでかなりお得な状況のように思える (´ー`)


 
まあともかく、降りてみることにしよう。




■姥ヶ平


 
牛ヶ首から姥ヶ平までは水平距離で600mほどで、距離感としては大したことは無い。…が、垂直方向にも150mほど移動することになるので、往復するにはおおよそ40階建てのビルを1階から屋上まで階段で昇降する程度の運動量を考慮しておく必要がある。男体山登頂などに比べれば屁のようなものだが、普段エレベーター移動ばかりしている人にはちょっとした有酸素運動になるかも知れない。

ちなみに降りていくルートは枯れ沢になる。階段状の土留め工事がそれなりに行われているので登山道のように見え、事実そうなのだが、そこは本来、雨天時には溶岩ドームからの水が流れ下る "水のルート" なのである。


 
尾根筋に近い位置の木々は、9月に直撃した台風の影響があるのか葉が落ちて少々痛んだような感があった。しかし紅葉の色づきそのものは悪くなさそうだ。


 
これが茶色くくすんだような色になると、霜が降りたというサインになるらしい。 姥ヶ平に限った話ではないけれど、紅葉のピークと初霜の時期というのはほとんど重なっていて、見頃がいつまでキープされるかは朝の冷え込み方(≒霜の付き方)次第ということになる。


 
さて足元を見ると、火山弾を割って根を張るガンコウランとドウダンの小木が散見された。岩に染み込んだ水が冬季に凍って岩に割れ目を生じ、そこに植物が入り込んでいく様子がよくわかる。

岩そのものは砂礫にはなっても土にまでなる訳ではない。そこに生えた植物の落葉などが分解してわずかばかりの土となり、その隙間を埋め、やがて表面を覆っていくのである。理科の教科書でお馴染みの植物遷移の走りの部分が、ここではリアルに観察できる。


 
日の出平方面の斜面を覆う木々も、かつてはこんなふうに岩を割って最初の土を作り、その上に根を張って世代を重ねたもの…ということになるのだろうか。


 
茶臼岳に隣接する南月山や朝日岳は最近5万年ほどは火山活動をしていないそうで、ほぼ山頂付近まで木々に覆われている。生存競争のフェーズは山頂付近では火山活動というより風との戦いといった様相になっていて、茶臼岳の遠い未来の様子を象徴しているように思える。

あと数百年もすれば、茶臼岳の溶岩ドームももこんな木々で覆われて秋には赤く染まるのだろうか…ちょっと、想像できないけどなぁ(^^;)


 
さて、そろそろだぞっと…


 
砂地の広場がみえてくると、そこが姥ヶ平である。砂と植物の描く文様をみると人の造形にみえるかもしれないが、これは周辺から流れ込む水の作用によって自然に出来たものである。


 
…とはいえ、知らない人が見たら 「どちらの庭師さんの作ですか」 …などと言われそうな気もする(^^;)


 
さてちょこっと休憩でも…と思いきや、むむ…さすがにベンチは先行組に占領されているか…。まあ寝過ごして日が高くなってからノコノコやってきた身の上なので贅沢はいえないな(笑)


 
上空をみると、出発時より雲が多めになってきている。晴天ではあるけれど、雲待ちがあるので写真撮影的には少々厳しくなってきたか。…これがあるから山は朝のうちに登ってしまわないとアレなんだけどな(^^;)


 
そんなわけで少々雲の陰がかかっているけれど、今年も定番の一枚(^^;)


 
その先にもイイカンジの木々はあったのだけれど…


 
残り時間と雲具合を勘案して、早めに引き上げることにした。


 
そんな訳で、今回のレポートはここでおしまいである。「えー、まだ日も高いじゃん」 とツッコミが入るかもしれないが、実は止むを得ない事情というか…カメラを岩にぶつけてレンズを壊してしまったのである ( ̄▽ ̄;)

おお、神よ…! 貴方はこの絶妙の景色の前で何と言う試練をお与えに(以下省略)


 
…そんな訳で、筆者の装備も輪廻を繰り返すことになる。18-200mmVRは携帯性も良くて常備レンズになっていたのだけれど、ちょうど超音波モーターの部分で鏡筒が割れてしまい、内部も歪んでしまったらしくAFがかからなくなってしまった。こうなると中途半端に修理に出すより買い換えたほうが早いだろう。

次は同じスペックでVRUになる予定だが…臨時出費としてはちょっとイタかったなぁ…とほほ orz


<完>