写真紀行のすゝめ:ハードとか


カメラは何がいい


さてまずは道具=カメラの話から始めましょう。といっても、筆者はいわゆるスペックマニアではないので、カリカリした内容はカメラの評価サイトにでも投げてしまって(笑)、楽しく使うには…という視点で書いていきたいと思います。いわゆる入門記事みたいなコンテンツは他にもいろいろあるでしょうから、自分の言葉で語れる内容で、ヌルいシリーズを綴っていきましょうヽ(´ー`)ノ …半分くらいは自分用のメモとして(笑)




カメラを買うなら一眼レフで行こう


いきなりですが、デジ一眼なんて持ってふらふらしていると、よく聞かれるのです。「高いカメラを買えば、いい写真が撮れるんでしょうかね?」 …などと。この場合、高いカメラとは大抵一眼レフを指しています。そして質問主はコンデジ系の人であることが多いです。

この答えは、YESでもあり、NOでもあります。Yes の部分は純粋な性能の差、No の領域は撮影者のウデ(うわぁぁ^^;)とか創意工夫いうことになります。人によってどちらを重視するのかには差があり、どちらの側にもそれなりの持論を持った論客がいます。だから人によって言うこともまちまちです。万人の納得する統一見解なんてものは存在しません。

精神論を好む人は 「安価なコンデジだって頑張ればこんなに撮れるぞ」 という創意工夫系の話をしたがります。実は筆者もそういう話は結構好きだったりします。…といいますか、日本人はもともとそういうストーリーが好みですよね。

…しかし現実は厳しいのですよ。多少の創意工夫やウデの差なんて吹っ飛んでお釣りが来るくらい、高級機の性能は圧倒的です。ちょっと気の効いた写真を撮りたくなって、今からカメラを選ぶなら、金額的には多少高めになってもデジ一眼にしておいた方が総合的な幸せ係数は高くなります。大小とりまぜ10機種ほど使い込んで来て、筆者はとりあえずそういう持論めいた感慨を持っています。




一例として、感度の話などを


コンデジとデジ一眼の違いとして一番分かりやすいのが撮像感度で、ISO800までしか対応しない安価なコンデジとISO12800まで対応のデジ一眼では暗所での表現力に圧倒的な差を生じます。 手持ちで機動性を確保しながら夜の街などを撮ろうとすると、安価なコンデジではスタートラインにすら着けない現実を思い知ることになるでしょう。

メーカーの宣伝広告には邪悪な一面(ぉぃ ^^;)があって、安価な機種でも 「何でも出来ますヨ♪」 という印象をもってしまいがちです。しかしよく見ると実は但し書きがいくつも付いています。たとえば軽快さを売りにしたコンデジのカタログに綺麗な夜景のサンプル写真が載っている場合、その写真はカメラをガッチリ三脚に固定してISO感度を下げ、スローシャッターで撮影したものであることが多いです。決して軽快に片手でパシャ♪…などとやっている訳ではありません。




そういう撮り方を観光地でやるとどうなるか…という例を上↑に示してみます。これはとある戦国時代のお城の内部をコンデジで撮ってみたものです。真昼の時間帯ですが建物の内部に照明はなく、自然採光のみの暗い環境です。この時は三脚は持っておらずフラッシュも届かない間合いだったので、カメラを窓枠に置いて(=三脚の代用的に)撮ってみたのですが……出来はもう、ほとんど心霊写真ですね(笑)

これはISO感度を上げられない分をスローシャッターで補って露出量を確保しているためで、都会の夕景をロングから見たような動きのない風景ならバレないのでしょうけれど、今回はスタスタと歩く人が写ってしまったので手品が成立しなくなってしまったのです。この性能で夏祭りの宵の賑わいなどを撮ろうものなら、おそらく期待したのとは違う意味で夏向き(?)の写真が量産されることでしょう。

※いまどきのコンデジでISO-800は無いんじゃないの…という声もあろうかと思いますが(^^;)、コンデジの最高感度は広告では派手に宣伝されていても、ありていに言って画質が良くありません。そのため感度制限オートというメニュー項目があって、実質的にISO100−800くらいの感度域で運用する仕組みが備わっています。筆者的にはそれが本当のコンデジの実力だろうと考えています。




同じように暗い状況を、デジ一眼で撮るとこう↑なります。左は鍾乳洞の内部、右は宵の縁日です。いずれも情景としては前述のお城よりも暗いシチュエーションですが、幽霊現象にはならず、きっちりと写っています。しかも三脚など使わずに、普通に手持ち撮影です。特にこれといった創意工夫や三脚などに頼らなくても、基本性能の高さがこういう撮り方を可能にしています。

…これが、デジ一眼で撮るということなのですよ。

もちろん晴れた日の屋外で遠景を撮っているだけなら、おそらくここまで差を感じることはないでしょう。しかし人が感動するシーンというのは明るいところから暗いところまで千差万別で、しかも暗いところで微妙に明かりが灯っているような情景が多いのです。手持ちのカメラの性能が原因でたとえばその半分を諦めなければならないとしたら、それはとても勿体ないことだと思うのです。

…だから、さあ、清水の舞台から飛び降りましょう(ぉぃ)w