写真紀行のすゝめ:お出かけとか


地図を用意しよう


撮影旅行に限った話ではありませんが、旅に出るときは地図は必携です。それも出来合いの観光MAPではなく、なるべく詳細な地形図を用意してあらかじめ撮影ポイントを書き込んだ "自前の地図" を用意しておくことが望ましいです。旅は行き当たりばったりが良いのだ、という主張もまあ分からなくはありませんけれど、無計画に現地入りするとどうしてもチェックしきれない場所が出てきてしまいます。

帰宅してから 「しまった、アレを撮り損ねた」 なんて失敗は筆者もよくやらかしますが(^^;)、せっかく出かけるのですから準備は入念に行いたいところです。




書籍系MAPには大人の事情がいっぱい


ところで手っ取り早く手に入る地図というと、コンビニなどで売っているご当地地図などがポピュラーです。JTBのるるぶシリーズとか、昭文社のマップルシリーズあたりが有名どころでしょうか。他にも旅行ガイドブックを兼ねた地図が多数出版されています。

筆者も遠方に出かけるときはよく利用していて、手っ取り早くその地域の観光名所などを把握するには重宝しています。

…が、こういう出版物のうち、とくにリーズナブルな価格で販売されているものは観光案内なのか広告なのかよくわからない構成のものが多いのです。レジャーでお金を使いたい人向けに有名な観光スポットに隣接して商業施設の特集を組み合わせて、そちらに誘導するような作りになっている訳ですね。

だからお金にならないテーマの記事は載りませんし、またどんなに景色がよい場所でも商業施設が無いところはスルーされがちです。那須や日光などでもその傾向はあって、オンシーズンになると書籍に紹介された施設には観光客が殺到して大渋滞する一方で、素晴らしい景観が望めるのにガラガラのスポットがあったりします。これについては良いとか悪いとかではなく、ビジネスとはそういうものだと割り切って考えたほうがよさそうに思います(´・ω・`)。




自分用のルートMAPをつくる


では書籍で不足している分はどうやって補うかというと、もう自分で作るしかありません。一番手っ取り早いのは Google Map などオンライン地図をプリントアウトして、撮影ポイントをマーキングしておくことです。そしてどんな順番で移動するか、おおよそのルートを決めておくのです。これだけで随分当日の行動がラクになります。

実は撮影旅行の最大の障害は、現地入りしてから目的地の近所で道に迷うことによる時間のロスです。大型の観光施設なら現地に近づいたところで標識や看板が出ているので分かりやすいのですが、中小のスポットにそんなものは期待できません。特に歴史系の小スポットだと、現在では幹線道路が直線化されてしまい、三日月湖のように残された旧街道側にあったりします。

こういう小スポットのリサーチは、ネットで検索すれば個別の情報が案外、パラパラと拾えます。市町村のホームページをみるとローカルなスポットでも文化財の一覧に入っていたりして、所在地の地番まで載っていることもあります。地番が分かれば地図検索でそこを探してメモしておけば良いでしょう。(それでも結構、ズレた場所が表示されたりしますが ^^;)




できれば地形図も


ところで Google Map などのオンライン地図は拡大縮尺に応じて勝手に道路を省略 (それもかなり大胆に) してしまうので、筆者は別途有料地図サービス山旅倶楽部を利用して、地形表示ソフトカシミール3Dで適当に拡大縮小したものをプリントして携行することが多いです。特に山岳部などは3D表示でロケーションをある程度把握していると、撮影のしどころやアプローチ方法の検討がしやすくなります。

…と書くと、検討ってナニをどうするんだよとツッコミが来そうですが(^^;)、それほど大したことをしている訳ではありません。たとえば山岳地に出かけて山を青く撮ろうと思ったら、空気層を10〜15km挟んで見るといい具合の色が出ます。この場合、視界を遮る丘陵や低山が無い平地でなおかつ逆光にならない方角、時間帯を選ぶことになり、最適の時間帯に撮影ポイントに到達するようにアプローチのコース決めを行なう訳です。また場合によっては光線のよい時間帯に展望スペースまで到達できないケースもありますが、そんな場合はルート近くで川を探して少し大きめの橋の上から撮影すれば案外邪魔な建物や電線は写りません。あらかじめそういう地点をいくつかピックアップしておくと、いざというときに重宝します。

そこまで大風景を撮らない場合でも、たとえば一定規模の神社仏閣や公園などでは駐車スペース (※一箇所とは限らない) を事前確認をしているかどうかで現地での時間のロスが随分変わってきます。混雑エリアに入ってしまうと思いのほか移動には時間がかかり、駐車場を探すだけでぐるぐると周辺を何週もしてしまうこともあります。

特に祭りなどのイベント時には条件の良い駐車場にはクルマが殺到して大渋滞になりがちです。筆者などは駐車スペースは事前に近所の3箇所くらいはチェックしておき、混雑状況によっては少し遠目の場所にさっさとクルマを停めて歩いてしまう判断をすることがあります。イベントでは臨時に駐車場が設けられることもありますので、これも事前に調べてマーキングしておきます。

…で、そんな偉そうに書いている筆者自身はどうなんだといいますと、正直なところロスは多いです…(ぉぃ ^^;)。 でも準備をしていなかったらもっと分が悪かった筈ですから、やはり事前チェックは重要なのだと思います。