写真紀行のすゝめ:お出かけとか


移動速度の目安


前回は地図の話題を取り上げましたが、今回は移動速度について書いてみます。ただし撮影スタイル、移動スタイルというのは人によって流儀がいろいろありますので、以下は参考程度にご理解ください。(※このコラムは筆者の独り言というスタンスで書いています ^^;)




撮影しながらの移動は、案外時間がかかる


まずは手始めは、山歩きをする場合のトレッキングコースの所要時間についてです。…というのも、撮影しながらの移動は予想外に時間がかかるのですよ。

登山マップに書いてあるコース所要時間は成人男性が山小屋泊を前提とした程度の装備(寝袋等)を持ち、休憩なしで移動した場合のものとされています(※)。筆者は中学、高校生の頃は地図のコースタイムの半分くらいの時間でスタスタと登っていた時期もあるのですが、今では実績値としては地図表記の1.5倍くらいかけて移動しています。

これは社会人になって運動不足になった(笑)というのもあるでしょうけれど、やはり風景を眺めたり写真を撮りながらゆるゆると歩いているのが大きいのでしょう。コースのアップダウン具合にもよりますが、朝から歩き始めて日没までに帰還するとして、余裕をもって登山道を移動しきれる安全距離は筆者の場合15kmくらいで見積もっています。平地を歩くときの半分以下くらいですかね。もちろんこれはレベルとしては相当にヌルいです。

それはともかくとして、自分の歩くペースをある程度見積もっておいて、コースタイムを割り引いて考えるというのが重要です。




山道を行くときの時間読みでは、日没時刻が気象庁発表よりもかなり早いというとも意識しておくべきでしょう。気象庁の発表する日の出/日の入りは起伏の無い場所で地平線(水平線)に太陽がかかる時刻です。山岳地では稜線の端に日がかかれば日没で、急速に暗くなります。上図↑は紅葉の頃(2013/11/01)の川治温泉の夕刻のシミュレートですが、気象庁発表の日の入りが16:52なのに対し、温泉街はそれより1時間も前に山の影に入って日没を迎えていることが分かります。コースタイムを読むときは、特に秋の夕刻には注意を払って帰還時刻を読むようにしたいところです。

※明確な基準がある訳ではなく、地図によって同じコースでも記載内容が異なる場合があります。





クルマの移動速度も案外、遅い


一方、クルマで移動する場合も実は速度はあまり出せません。高速道路を使わずにシタミチを行く場合、昼間の移動速度は筆者の生活圏ではなんと時速30〜35km程度です。信号でちょこちょこ停止するロスは意外と大きく、思った以上にクルマは進んでいません。首都圏では都心に近づくと実績値はもっと遅くなるはずです。要するに、制限速度 50km/h の道路だから1時間走れば50km先まで行ける…という話ではないのです。

ただし深夜の時間帯は別で、幹線道路は信号が点滅状態になってほとんどノンストップになり、昼間とはまったく違った時間感覚になります。クルマで遠征する場合には夜間をうまく利用して未明のうちに移動を済ませ、現地で仮眠をとって行動開始するくらいの感覚で良いのかもしれません。特に行楽シーズンの連休初日など大都市圏から大量の行楽客が流れ出てくることが予想される場合は、夜明け前に都市部を通過してしまうのが鉄則といえます。

一方、予想がつかないのが高速道路で、これは路線によって渋滞具合が激しく異なる (しかも休日プレミアム付き ^^;) ので厄介です。関越自動車道などは日曜午後には上り線で50kmを超える超絶渋滞が常態化していて、時速20km未満しか出せないのに高速料金を支払うのが馬鹿馬鹿しくなるくらいだったりします。

…が、これも深夜〜早朝の時間帯にはガラガラですから、時間差攻撃である程度の回避ができます。関越道でいえば混雑するのは信越道と合流する藤岡JCT、北関東道と合流する高崎JCTの付近です。日曜の夕方には首都圏からの行楽客がここで渋滞を起し、さらにはSA/PAが満車になってクルマの列を生み渋滞の拡大に拍車をかけます。長野や新潟方面に出かけて帰ってくるときは、この夕方のラッシュに巻き込まれる前に途中の適当なスポットで食事+仮眠をとって午後10時くらいに動き出せばイライラに悩まされることはなくなります(帰宅時間は大して変わらなかったりします ^^;)。

筆者は、遠地に向かうときはほとんどの場合早朝移動です。シタミチルートの場合は昼間換算で時間を読んでおいて、早めに現地に着いたらちょこっと仮眠…というパターンが多いです。早朝でも昼間換算で時間を予測するのは、夜明けのタイミングというのは移動途中でいい景色に出会う可能性があるので多少のサバを読んでいるのものです。天候具合によって当たったり外れたりしますけれど、まあそのへんは道草する余裕も旅情のうちと考えましょう(笑)